アナロジー

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 歴史屋はほんとにアナロジーが好き。
 日本共産党はいま、文化大革命とよく似た状態になっている。

 支持が広がらない原因を客観的に全面的に分析するのが怖いから、すべて他人のせいにする。反共とは社会主義思想を敵視する思想のことだが、「もうちょっといいやり方を考えれば?」というようなごく普通の意見を敵視して、「敵と戦え!」「敵と戦わないものも敵だ!」と逆上している。現状、自分たちを支持しないものは敵か、教化対象と考えている。党幹部の山下という人は埼玉県で、「真理は必ず多数派になる!!」などと絶叫している。山下氏はゲッペルスの弟子をめざしているのだろうか。

 理性を持つ人ならば、このようなカルト教義を相手にするはずもない。次に行われるのは、疑問を持つ党員へのつるし上げと排除である。これは組織の中ですでに開始され、良識ある党員が今も各地で糾弾されている。

 大躍進の失敗を指摘され、一度は凹んだ毛沢東が企画したのが文化大革命だった。
 文革前の中国共産党には、有能な幹部が少なからず存在した。なにも完全無欠な人々がいたというわけではない。誤りは誤りとして認め、よりよい方向へと進んでいこうという誠実さを持った人々だ。毛沢東は、このような人々をターゲットに、配下の幹部や青少年を使って迫害を始めた。文化大革命について、日本では当時、驚天動地のパラダイム転換であるかのように評価する人もいたが、実際には毛沢東による低劣な権力闘争でしかなかった。この点については、今なお文革は正しかったと述べるこの本あたりを読むとよくわかる。

 日本共産党の文化大革命はすでに始まっている。国政候補者のこの人や現職都議のこの人あたりは、最もたちの悪い紅衛兵である。一般党員の中には、さらに質の悪い紅衛兵がウヨウヨいる。

 文革のオモテの指導者は林彪だった。日本の林彪は田村智子さんであり、志位和夫さんは毛沢東の立ち位置にいる。中国では「四人組」が彼らに次ぐ地位につき、林彪や毛沢東を持ち上げ、良心的な幹部・党員を摘発する実働部隊である紅衛兵たちを指揮した。何人組だかわからないが、日本共産党にも、上記の山下さんを始め、その手のコバンザメがたくさんいる。中国の文革とやや異なるのは、ソ連のスースロフに似た立ち位置の黒幕が日本にもいることくらいか。

 文革時代の中国と現代日本とでは、民主主義の成熟度やコミュニケーション手段がまったく異なるのだが、日本の四人組やスースロフの現状認識は、1970年代ごろと変わっていない。
 日本のスースロフ2号あたりはネットリテラシーがないから、市民目線から見れば異常で党規約にも抵触しかねない暴言をツイートしては炎上し、コッソリ削除を常としている。
 コッソリ削除すれば言わなかったことになると思っているらしいのが、いかにも1970年代人らしいのだが、これが最高幹部なのだから、恐ろしい。

 「雨ニモマケズ」に出てくるような、自分のことは後回しにしてもまずは人に同情し、問題解決のために親身になってあげられる人は、何党員であれ何主義者であれ、尊敬すべき人である。
 かつて共産党には、そんな人がたくさんいた。
 もちろん今でも。

 しかし、田村さん・志位さん・四人組・スースロフらがのさばったままでは、市民から見放され、嫌悪されるしかなく、この党の未来はない。いずれ今よりさらに弱小政党化するだろう。
 文化大革命は、中国でも、誤りだったと評価されている。習仲勲が受けた仕打ちを思えば、習近平とて文革は悪夢以外の何ものでもあるまい。

 多くの共産党員がどのように考えているかはわからない。
 しかし今、この党が歩みつつある道は引き返すことの困難な、滅びの道である。

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