本日というか今夜は、この時期の年中行事ともいうべき、釣れないウナギ釣りに出かけた。
餌は生きたドジョウを使う。
いつもドジョウを買うスーパーに行ってみたら、なぜか売っていなかった。
よっしゃ、これで釣れない言い訳ができたと思ったが、よく考えてみたら、餌がないのは釣れない言い訳ではなく、釣りに行けない言い訳にしかならないのだ。
それで別のスーパーに行ったら、ちゃんとドジョウは売っていた。
道具一式を持って小道を下ると、夜の川がなんだか明るい。
川に出たら、目の前になんと、屋形船が浮かんでいた。
いつの間に屋形船ができたんだろう。
これは十分、釣れない言い訳になると思った。
隅っこで釣りを始めたら屋形船は、都合4回、目の前を通過した。
船からは、ガハハハと酔客が笑う声が聞こえていた。
屋形船の往来が終わり、やっと静かになったが、竿は、ぴくりとも動かなかった。
しばらくすると、20人ほどの若い男女が、懐中電灯を手に、対岸に降りてきた。
イヤな予感がしたがそのとき、竿が激しく揺れた。
思い切りあわせをくれたが、手応えは軽く、魚がかかっている気配はなかった。
もう少し落ち着いて、合わせればよかった。
その後若い男女は、対岸で花火を始めた。
「バカになろうぜぇー」と怒鳴りながら実際、バカそのものの痴態を展開しているのを気にしながら、竿先を見つめたが、竿は二度と動かなかった。
やがてバカたちが、川面に向かってロケット花火を打ち込み始めたので、もうここにいても無駄だと思って、竿をたたみ、捕らわれていたドジョウたちを自由にしてやった。
こうして、今年の釣れないウナギ釣りも終わった。
最近のコメント