日尾城址

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日尾城址


 遠出から帰宅。

 過日、札所から観音山・日尾城址を回った。
 日尾城址は鉢形城の支城で、上州からの武田の侵入の抑えという位置づけで、諏訪部遠江守定勝が守備していた。
 武田軍は、山県昌景を将として攻めていたというから、それなりの布陣で臨んたはずだが、撃退されたという。

 その日、定勝はいい気分で飲んでいた。

(けらい1) 武田の軍勢が攻めてまいりました! 
(諏訪部遠江守定勝) あいわかった。ご苦労・・。
(奥方) 敵がせめて参ったのですよ。
(定勝) わかってるから、もう一杯。
(奥方) バカですか? あなたは。あなたの首を取ろうとしてこのすぐ下まで、押し寄せているんですよ。
(定勝) わかってるったらわかってるって・・。もう一杯・・。
(けらい2) 何十人もの敵が登ってきます!
(奥方) もう少し待ちなさい! ガケの中ほどまで登ってきたら、一気に石を落とすのよ! 一、二の三。それ! 落としなさい!

 武田の雑兵が叫びながら滑落していく。

(けらい3) 生き残った兵が登ってきますぞ。
(奥方) まだ撃っちゃダメよ。すぐ近くまで引きつけて、確実に殺さなければ。
(奥方) 今だ! みんな撃て!

 武田軍壊滅。
 諏訪部定勝はこの勝ちいくさで殿さまから褒められたが、たいへん気まずいので、以後酒を絶ったという。
 秩父の人が好きそうなエピソードだ。

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