景春惑乱

| コメント(0)
ケヤキ奇木


(景春)「道灌の野郎、イイ子ぶりやがって。いまチャンスだから謀反起こそうぜとせっかく誘ってやったのに、拙者は殿様に命を預けておる、おぬしもつまらん謀反などやめろとぬかした。それだけじゃない。先鋒で攻めてきて、オレの鉢形城を落としやがった。腹立つなあ。なんだって? 道灌がまた攻めてきただと? とてつもない大軍だ? オイ、逃げるな。逃げるやつは手打ちにいたすぞ。逃げるなっちゅうのに!! くそっ、道灌、覚えてろ。仕方がない、オレも逃げるとするか・・・。」
 景春はいくさには負けてばかりだったが、あちらの味方と思えばこちらの味方になり、関東各地で戦い、逃げ続けた。一方、道灌は主君に忠義を尽くして、三度まで景春を破り、上杉家を守った。ところが主君の上杉定正は、有能な道灌による裏切りを心配するあまり、道灌を暗殺してしまった。長尾景春は、一度も勝てなかった太田道灌より、28年も長く生きた。

コメントする

2023年8月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アーカイブ

カテゴリ