百済寺

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百済寺本堂



 あまり時間がなかったので、滋賀県愛東町の百済寺(ひゃくさいじ)に、自動車で行ってきた。

 広大な境内に、無数のヤマザクラやヤブツバキが自生しており、全山にミツマタが植栽されている。

 カエデ類も多いから、花の季節のみならず、紅葉の季節にもみごとだろう。

 かつては同じ天台宗の比叡山に似て、無数の塔頭が林立していたらしいが、堂宇・諸仏・経文の殆どを、信長の放火によって失ったらしい。

 信長は、石垣の石まで抜いて、安土築城に再利用したという。

 まさに、悪魔の所業である。

 同時代の、例えば信玄や謙信の、神仏への信仰は、絶対的なものだった。

 信玄などは、善光寺が欲しくて、長野から本尊ごと、甲府まで奪い来たったほどだ。

 信長の冷酷無比な合理主義は、秀吉や家康とも次元が異なり、バーミヤンの大石仏を爆破した人々と通底する、ニヒリズムを感じる。

 彼が天下を握り得なかったのは、幸運なことだった。

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2023年8月

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