大沢山から下山後、安宮神社を見に行った。
県道を筑北村側にいったん下って登っていくと、駐車場があり、神社は歩いてすぐだった。
ミヤコワスレが咲き残る境内に入ると、二匹の猫がニャーニャー鳴きながら寄ってきた。
神職は留守らしかった。
お参りをしてから潜戸をくぐって、本殿まわりの石仏・石神を見に行った。
はっきりとはわからないが、無数の石造物はおおむね、明治時代ころの造立と思われる。
どのような信仰を背景にしているのかも、不明。
ありとあらゆる有名・無名の神仏がそこにいるのだった。
江戸時代のものではないとはいえ、時代を経ているので十分に古びていたし、3Dプリンターで作ったような魂のない石仏・石神ではなく、一体一体が個性的な表情で刻まれていた。
ただ、境内入口付近にあった狛猫はいかがなものかと思った。
三峰信仰のもとで狛犬はお狗である。養蚕の敵であるネズミを食べてくれるから、狼がご眷属とされているのは理のあることである。
日枝系の神社で狛猿(都幾川村・大附日枝神社)を見たこともある。これも、理論的に説明できることである。
広神村の小平尾天満宮には、狛牛がある。牛は農作業の大切なパートナーであり、人が生きていく上で欠かせない役割を果たしていたから神の使いとされてもおかしくない。
猫はネズミやムカデを捕ってくれるが、基本的には愛玩動物であり、ご眷属とは考えられない。
ともあれ、とても面白い神社だった。山中に孤立して存在しているから氏子はいそうにないのだが、どうやって維持されているのだろうか。
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