嵯峨野散策

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祇王寺の庭で


常寂光寺の庭


清涼寺山門

 学校が休みだったので、一日、嵯峨野を歩いた。

 バスで愛宕(おたぎ)寺まで行って、まず愛宕寺にお参り。
 新しいものだが、無数の羅漢像がところ狭しとおかれていた。

 鳥井本集落まで下って、次は化野(あだしの)念仏寺。
 無数の無縁仏がひしめき合っているという感じの、西院の河原が印象的だった。

 しばし南下して、祇王寺。
 平清盛の寵を得たのち捨てられた白拍子・祇王ゆかりの寺だが、さほど広くはない庭が、とても美しかった。

 その手前の檀林寺門跡は、本堂が宝物館を兼ねており、飛鳥時代の夢違観音など、錚々たる仏像・美術品を見ることができた。
 ただ、説明してくださった方が、「菊の御紋」を、これでもかとばかりに誇られるのには、少々閉口した。

 二尊院は、小倉山の斜面にあり、藤原定家が百人一首をここで選定したという口伝がある。
 天台宗のお寺だが、法然と深いつながりがあり、阿弥陀と釈迦の二体の仏像が本尊である。

 お寺としては、その次に訪れた常寂光寺が庭も美しく、最も印象深かった。
 日蓮宗のお寺で、開山の日しん(ネへんに真)上人という人は、豊臣秀吉が方広寺大仏殿で大々的な供養のイベントを催したとき、その招きに応じなかった気骨の人らしい。

 当時の秀吉は、朝鮮侵略で舞い上がっていただろうから、その行為は、かなりの勇気を必要としただろう。
 定家の山荘はこちらだという説もあるらしい。
 南北朝期の山門や江戸初期の多宝塔も、みごとだった。

 御髪神社にちょいとお参りして、次は天竜寺。
 孟宗竹林を抜ける道は、よく写真に撮られている。

 世界遺産にも登録されているとあって、ここにだけ、アジア系・ヨーロッパ系の外国人が、うろうろしていた。
 ここでは、庭園と本堂と法堂の拝観料とがそれぞれ別に徴収される。
 足利尊氏をパトロン、夢窓国師を開山とするという、豪華キャストで作られた大寺院なだけに、規模は豪壮なものだった。

 最後は、線路を渡って、清涼寺。
 ここの釈迦如来像はインドから中国を経て日本にもたらされたというが、本当だろうか。
 ちょうど開帳されていた釈迦如来を見ることもできたし、本堂内の諸仏や多宝塔もみごとだった。

 ひどい猛暑日で、なるべく日陰を選んで歩いたが、たいへん疲れた。

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