東海地震と浜岡原発

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 福島第一原発の状況は、自衛隊・消防・東電の頑張りによって、冷却システムの再構築に向けて半歩前進という意味で、好転の兆しをみせている。
 とはいえ、安心などできる状態ではない。

 菅首相は、今日の会見で「大きな夢を持った復興計画を進めていきたい」と述べているが、枝野官房長官は、数日や数週間で避難を解除できるような状態ではないと言っている。

 地震・津波からの復興と原発事故からの復興とは困難さのレベルがちがう。
 ともかく、現況は、復興を云々できる段階でない。

 今回の地震は、太平洋プレートが北アメリカプレートの下にもぐりこみ、地殻を破壊したことが原因だが、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下へのもぐりこみによって東海・東南海・南海地震が起きることが、かなり高い確率で予想されている。
 東海地震の予想震源地のすぐ近くに、中部電力浜岡原発がある。

 中部電力のサイトには津波に対する安全性がうたわれているのだが、中電では、予想される津波について、「満潮を考慮しても、最大でT.P.+6m程度」と想定している。

 ところが、今回の地震後の津波については、確定的なデータはまだ出ていないが、大船渡市の綾里湾では、30メートルを超える高さまで津波が到達した痕跡があったという報道もあり、最大6メートルという中部電力の想定は甘すぎると言わざるをえず、今回同様、原子炉の冷却システムが破壊される可能性が高い。

 原子炉にとって危険なのは、寄せ波の破壊力だけでない。
 今回の地震の際の引き波がどの程度だったかも、確定的なデータがないのだが、地震発生15分後から約6分間で約2メートル上昇し、続く4分間でさらに約4・5メートル高さを増した。その後約30分かけて潮位が10メートル近く下がったという報道がある。
 これによって計算すると、潮位低下は、約3.5メートルである。

 2006年の段階で、東京電力は想定している引き波(水位低下のことか?引用者)は最大三・六メートルと説明。「最大で十分程度取水できなくなる」と認め、その場合には非常用の冷却設備を作動させる決まりだと言っていたにもかかわらず、バックアップの冷却設備もが破壊されたことが、今回事故の原因そのものだった。

 中部電力の説明も、数値シミュレーションによれば、水位低下によって、取水口の下端レベル(T.P.-6.0m)を4分間程度下回ることになります。この間一時的に取水できなくなりますが、取水槽には、原子炉機器冷却系に必要な量の海水が20分間程度以上確保されており、その間には取水塔位置の水位が回復します。したがって、水位低下に対しても原子炉施設の安全性は十分確保されていますと、東電とほぼ同じである。
 これで、安全性が確保されているとは、とうてい思えない。

 中部電力は、浜岡原発6号機の建設を見合わせるとともに、プルサーマル発電についても様子見の構えである。
 現状の安全が担保されたわけではなく、東海地震の際に、福島第一で起きたことが再現されない保障はない。
 今日は、通常勤務。
 たいへん忙しい。

 退勤後、自宅で本棚用材木の加工。
 加工だけでずいぶん時間がかかる。

 写真は、新薪置き場兼ぶどう棚。
 ここになら、かなりたくさんの薪を積むことができそうだ。

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