茶の花
終日、近所の運動会。今年は役員なので、参加。
準備・競技・片付け・直会で夕方になった。
奥武蔵の植林帯では今、お茶の木が花盛りだ。
今はスギ・ヒノキの森になっている尾根は、かつて、お茶畑だったのだろう。
刈られずに残ったお茶の木は、スギ・ヒノキが成長したあとも枯れずに、ささやかながら花を咲かせ続けている。
一帯は、西川材の生産地だが、人々は木材生産でのみ、生計を立てていたわけではない。
職業といえば、その人がもっぱらその仕事にだけ従事していると考えるのは、現代人の偏見である。
かつて人々は、生きて暮らすために、手仕事・山仕事・農作業・自然物採取など、あらゆる仕事に従事した。
自分は大学で江戸時代史を専攻したが、この時代に「農民」という身分が存在したということは、聞いたことがない。
この時代の主たる被支配者は、「百姓」すなわち、さまざまな仕事をする人と呼ばれた。
お茶の花は、ここが茶葉生産地でもあったことを物語っている。
ちなみに当地も同様だが、お茶を摘む人はもう、いない。
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