平和ボケ

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 日本政府は、いわゆる新たな国連決議のないままでのイラク攻撃を支持する腹を決めた模様です。
 新たな国連決議なしの武力行使は、国連を中心として平和を維持しようとする国際秩序の破壊です。そのような軍事行動は、国連憲章違反であると、アナン事務総長も述べています(3/10)。
 日本は、アメリカが国連のこれまでの決議1441等に基づいて戦争するのだと説明すれば、十分な大義になると考えているようです。つまり、アメリカがそう説明すれば日本は納得する、ということです。それでは、アメリカのいうことは、何でも正しいと言ってるのと同じです。
 これが、日本の外交の正体だったのですね。
 今後、北朝鮮をめぐって、緊張が高まることが予想されます。そうなったときにも、日本は、アメリカのご託宣通りに行動しようとするのでしょうか。
 思えば、戦後長きにわたって、日本は、アメリカの核の傘に入ってれば一番安全なんだと主張して、みずから平和を作り出そうとする努力を、ずっと怠ってきました。これを平和ボケと言わずして、なんと言うべきでしょうか。
 平和は、必死の外交努力によって維持されるものなのです。城山三郎『落日燃ゆ』は、すぐれた洞察力と交渉能力を備えた外相・首相広田弘毅が、軍部の圧力によって戦争の泥沼に引き込まれていくさまを描いています。
 日本の国土と国民を守るためにも、平和を維持するためにねばり強く交渉することが、今、求められていると思うのですが。

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