イラク戦争

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 本日、秩父地方は、春の大雪。
 夜明け頃には15センチほどの積雪。
 さらにお昼前まで、降り続きました。
 『日蔭の村』読了。

 イラク情勢はますますのっぴきならなくなりそうです。

 日本政府は、「北朝鮮問題でアメリカの世話になるから、アメリカのイラク攻撃を支持するのだ」と考えているようです。
 もし本当なら、信じがたい話。

 まず第一に、イラクと北朝鮮とは別の問題。
 イラクが日本に、どういう攻撃を仕掛けてきましたか?
 なにもしていないではありませんか。

 ブッシュは、フセイン政権を打倒し、イラクを民主化するのが戦争の目的とも言っています。
 しかし、そんな話は、国連憲章をひくまでもなく、戦争の正当な目的にはなり得ません。

 そんな理由で、日本がイラク攻撃を支持し、「後方支援」に出るならば、日本は単なるアメリカの腰巾着だと、世界に示すことになるでしょう。

 いや、そんなことを言っても、ここでアメリカのご機嫌とりをしておかないと、北朝鮮が攻めてきたときに困るだろう、という「現実」論もあるかと思います。
 その根拠として、「日米安保条約に基づく米軍の反撃が、北朝鮮に対する最大の抑止力となっているのが現状」などという論評があります。

 しかしわたしは、むしろその逆で、国連による平和への取り組みを傲然と踏みにじろうとしてするブッシュ(北朝鮮も同様ですが)に指揮された在日米軍の存在が、北朝鮮にとって、核開発の最大の動機にならないはずはないと思っています。

 イラクよりも、北朝鮮の脅威の方が、日本にとってはるかに深刻です。
 北朝鮮は、戦前の日本と同様に、国民をマインドコントロール下においた独裁国家であり、報道に見る限り、指導者たちに、ねばり強い外交能力などはほとんど感じられません。

 わたしは、彼らがパールハーバーをやらかさないという確信を持つことができません。
 であるが故に、反撃能力は、傷を広げるだけなのです。
 北朝鮮のミサイルを発射直後にすべて迎撃し、彼らの攻撃能力を完全に無力化するなど絶対に不可能。
 戦えば戦うほど、勝ち負けに関わらず、犠牲は増えます。
 それを避けるには、先制攻撃しかない。
 となれば、ブッシュの予防戦争論に乗って踊るしかなくなります。

 たとえば、仮に九州が北朝鮮によって占領されたら、アメリカは、劣化ウラン弾でも何でも使うでしょう。
 そこに日本人がどれだけいようが。
 われわれは、湾岸戦争で、またアフガニスタンで、アメリカのそういう戦争を、いやというほど見てきたはずです。

 リアルな状況認識に基づき、犠牲をもっとも少なくするための、柔軟でねばり強い自主的な外交努力以外に、東アジアが突入しようとしている危機を回避するすべはありません。
 これ以上、ブッシュのアメリカについていくべきではありません。

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