自然エネルギー?

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 数日前の記事だが、岩手県宮古市の海抜約60メートルの場所に「此処(ここ)より下に家を建てるな」という石碑があるという話が報ぜられていた。
 石碑が建てられたのは1933年の昭和三陸大津波の後という。

 一方、今回の津波が、同じ宮古市で高さ37.9メートルまで及んでいたことが明らかになった。
 石碑に残された先人の言が、地域住民を守ったのである。

 東京電力の津波への備えはどうだったのか。

 以前にも引用したが、東京電力サイトは、過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を数値シミュレーションにより評価し、重要施設の安全性を確認しています。また、発電所敷地の高さに余裕を持たせるなどの様々な安全対策を講じていますと記している。

 これも以前の記事だが、福島第一原発のメーカーである東芝の技術者が、「1967年の1号機着工時は、米国ゼネラルエレクトリック社(GE)の設計をそのままコピーしたので、津波を全く想定していなかった」と述べている。「2号機からはGEの設計図を改良したが、「マグニチュード8以上の地震は起きない、と社内で言われた」(リンク先同じ)という。

 東京電力(及び歴代自民党政府)はなぜこのように、安全性を軽視するのか
 
 2007年2月には、福島第一原発で緊急時に原発のメルトダウンなどを防ぐ非常用炉心冷却装置(ECCS)のポンプ故障を隠して検査を通すなど、悪質な改ざんを行っていたことが明らかになっている。

 東京電力が福島第1原子力発電所での危機対応のために配備していたのは担架1台、衛星電話1台、防護服50着――。今回起きたような事故はまったく想定されていなかったことが明らかになったという報道もある。

 最前線で作業に携わる東電や下請会社の作業員の方々が携行しなければならない放射線線量計は、第一原発に5000台備えつけられていたが、実際正常に作動したのは約320台だけだったため、内規を急遽変更して、線量計を必ずしも全員に持たせなくてもよいようにした。

 等々。

 2006年3月の衆議院予算委員会の議事録(PDF)を見ることができる。
 ここでは、共産党の吉井英勝議員が、津波によって原子炉の冷却システムが喪失するということ、燃料の崩壊熱が除去できなければ、水素爆発を招くことなど、今回の事態を予言するかのような質問をしている。これに対し、自民党の二階経産大臣さえ、「これらの問題に対して、吉井議員のご提議をヒントにして、われわれがどう対処しなきゃいけないか少し考えてみたい」と述べているのに、広瀬研吉原子力安全・保安院長(数日前に内閣府参与に任命された)は、電力会社のホームページに書いてある程度の説明をして、「原子炉施設の安全性は確保されている」と強弁している。

 明日起きるかもしれない南海地震発生時に、福島同様の深刻な事故を起こすことが確実な浜岡原発を始め、日本中の原発を即時停止すべきだ。

 ちなみに、浜岡を止めろと言っている政党は共産党と社民党である。
 だが、共産党は「電力供給を原発に頼るのはやめ、風力や水力、太陽熱や太陽光など、自然エネルギーの利用を大幅に拡大していくべき」といい、社民党は「原子力発電依存のエネルギー供給体制から風力発電、太陽光発電、太陽熱・地熱利用、バイオマス利用などの自然エネルギーを利用する供給体制に転換する」と述べており、内容的にはほとんど似たり寄ったりである。

 電気の大量消費を前提とした社会を維持していく限り、原発建設はおそらく不可避である。
 都会民の消費生活を支えるために、農山漁村に各種発電施設を作ろうと考えている点では、自民党から共産党まで、みな同じだ。

 都会で使う電気がどうしても必要なら、都会で作ればよかろう。

 今日は定時に退勤して、大量の薪作り。

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