野田内閣の鉢呂経産大臣の辞任について、釈然としない部分があるので、備忘のため、書いておく。
まず、どの発言に対する責任を取るのか、辞任理由がはっきりしていない。
「死の街」発言については、表現の仕方に問題はあれ、事実を述べたものだとも言える。それを批判する人もいるだろうが、事実そのとおりだという人もいるだろう。
どちらかと言えば、「放射能云々」の方が問題になりうるのだが、鉢呂氏がなんと言ったのか、じつは全くはっきりしていないのである。
ググってみると、鉢呂氏と件のやり取りをしたのは毎日の記者らしい。
朝日・読売・産経などは、鉢呂氏から直接聞いたわけではないから、毎日記者への間接取材で「辞任は必至」などと報道していたことになる。
これらの新聞は、「裏をとる」という最も基本的なことを省略して、伝聞記事で大臣を辞任させたということにならないのだろうか。
鉢呂氏の件については、野党も大はしゃぎである。
例えば共産党は、発言は、閣僚としてだけでなく、社会人としての常識も疑わせるなどと言っているが、その根拠たる「発言」は、「毎日」の受け売りである。
この人たちは、伝聞記事を根拠に「社会人としての常識も疑わせる」などと非難することが、何を意味するか、わかっていないか、でなければ、「嘘も百回言えば真実になる」と考えているのだろう。
民主党内の脱原発派とみなされていた鉢呂経産相を辞任に追い込んだことが、今後どのように展開していくのかは、まだなんとも言えない。
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