写真は、日没直前の秩父市内である。
住宅街や大規模商業施設も見えるが、中計に数本の大ケヤキが見えている。
これらのケヤキは公園などに植栽されているものではなく、多くは民家や商店の庭に植えられており、この街独特の景観を作り出している。
今宮神社のご神木はおそらく、この写真中景奥に見えている。
そのご神木について、武甲外羅さまからご教示をいただいた。
この樹が天然記念物の指定を受けたのは、昭和19年3月とのことである。
その時代に、老木をいかに保護するかということを考えていた役人(もしくは学者)がいたということに、驚きと感動を覚える。
和名倉山の東大演習林には、その時代に植えられたスギ林などもあるから、さきのことを考えていた人もいたのである。
秩父市内一帯は、河岸段丘上に、縄文時代から多くの人が暮らしており、中世には、在地の武士(土豪)がこの小世界を支配していた。
その頃からケヤキの大木が、市内一帯のあちこちにそびえていたのだろう。
現存するケヤキ大木の多くは、今宮神社のご神木ほど古くはないと思われるが、秩父事件より新しくはないだろう。
ケヤキ大木と武甲山は、秩父の街を象徴する風景の一つではないだろうか。
コメントする