多忙中にて、文章をじっくり書いている暇がないのだが、野田首相が、関電大飯原発3、4号機に関連して、「国民の生活を守るために、3、4号機を再稼働すべきだ」と述べているので、ひとこと。
記事によれば、「首相は再稼働の判断の根拠となる安全性について「1年以上の時間をかけて得られた知見を積み上げて確認した」」と述べたらしい。
なら聞いてみたい。
福島第一原発が安全だと言い続けてきた政府と東電は、その安全性について、何年かけて得られた知見を積み上げて確認していたのか。
野田氏は、「3割の原子力発電をいま止めては、日本の社会は立ちゆかない」とも述べている。
東電管内で東京23区を除き行われた昨年の「計画停電」は、幹線道路の信号も、病院の医療機器もすべて停止させるという、過酷なものだったが、それで多大な犠牲者が出たという話は聞いていない。
日本の社会が立ちゆかないのではない。
多少暑いからといってエアコンを全開で回すという、バカげた消費生活が立ちゆかないだけである。
大阪府民は、独裁政治家を圧倒的に支持しているらしい。
なら、その独裁政治家がここでこそ、その本領を発揮して、「エアコンの使用は犯罪である」という条例を作り、エアコン使用者を厳重に処罰すればよい。
エアコンは、自分の家だけは涼しくするという利己的な機械だが、それを使うことによって、排熱により地域全体が高温化する。
エアコンを使わなければ、それだけでもずいぶん、地域全体の高温化を抑えることができるはずだ。
福島第一原発の事故の検証は全く終わっていない。
菅直人前首相の言動がどうだったこうだったなどという問題以前にまずは、事故の原因を明らかにすべきであり、それはかなり明らかになりつつある。
原発事故の直接的な原因は地震と津波だったにせよ、それは「想定外」だったのではなく、たびたび指摘されてきたその危険性に対し故意に目をつぶり、安全だというデマを撒き散らし続けた自民党政府と東電の行為は、犯罪だった。
罪に値するものには、責任をとってもらわねばならない。
野田首相は、「想定外」の事故は絶対に起きないと保証できるのか。
今日の記者会見の言が将来、取り返しのつかない重大事故につながったら、どうやって責任を取るつもりか。
民主党の党員は、万一想定外の事故が起きたら、全智全霊全財産を賭けて責任を取ると言えるのか。
福井県知事は、野田氏が安全だと言うなら自分も安全だと思うと述べている。
もし何か起きたら、野田氏のせいにして、「自分は騙された」と言い逃れしようと思ってるんだろう。
あまりに気の毒な状態なので、書くのをはばかってきたが、福島原発を必死になって誘致してきた県や地元自治体も、今回の事故の共犯者といわねばならない。
原発マネー中毒の地元自治体・県のために、東日本全体のみならず、世界中に放射性物質をバラまいてしまったからである。
新潟県の泉田知事は、今の状態で再稼働などマトモな感覚でないと述べておられる。
余程の馬鹿でなければ、野田首相の今回の話を真に受けるはずがないと信じている。
コメントする