戦争絶滅受合法案

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 石破茂さんという人は、政治家なのにずいぶん正直である。

 テレビ番組で、集団的自衛権を認めれば自衛隊が地球の裏側まで戦争に行くこともある、と述べた(2014/04/05)かと思えば、同じ番組の中で、アフガン戦争で集団的自衛権を行使した国の軍隊が多数の死者を出したことから「日本にその覚悟があるか」と問われ、「政治が覚悟しなきゃいけない。内閣が吹っ飛ぶからやめとこうというのは政治が取るべき態度ではない」と述べたらしい。

 石破氏が言ってるのは、相手国の犠牲者のことでなく、「日本」の自衛隊に犠牲者が出ることに対する考え方である。

 石破氏は、「自衛官は危険を顧みないとの誓いをしている。危険だからやめようということがあってはならない」とも述べている。

 自衛隊員に犠牲者が出ることを政治家は覚悟しなきゃいけない、と言っているのである。

 これは、自衛隊に入るなら、死ぬ覚悟でおいでなさい、と言っているのと同じである。

 自衛隊員の皆さんは、外国から侵略されたら命を顧みず戦う覚悟は、今もお持ちだと思う。

 だが、例えばアフガン戦争やイラク戦争のような、アメリカによるアメリカの(一部の人の)ための戦争に行って「死んでくれ」と言われたら、どういう気持ちになるだろうか。

 「戦争絶滅受合法案」なるものが1929年に、長谷川如是閑によって紹介されている。

 彼によれば、デンマークの陸軍大将フリッツ・ホルムという人が草したものだというが、原文の訳文のソースは目にしていない。

 内容は、



戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力を生じたる後、10時間以内に次の処置をとるべきこと。

即ち左の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従はしむべし。

 1 国家の元首。但し君主たると大統領たるとを問はず。尤も男子たること。

 2 国家の元首の男性の親族にして16歳に達せる者。

 3 総理大臣、及び各国務大臣、ならびに次官。

 4 国民によつて選出されたる立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之を除く。

 5 キリスト教又は他の寺院の僧生、管長、其他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。

上記の有資格者は、戦争継続中、兵卒として招集されるべきものにして、本人の年齢、健康状態等を斟酌すべからず。(中略)

上記の有資格者の妻、姉妹等は、戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に接近したる野戦病院に勤務せしむべし。



 このような法律が制定されれば、憲法第9条がなくても、戦争は絶対に起きない。

 なぜなら安倍晋三氏なんぞは、徹底した反戦主義者になるに違いないからである。

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