雁坂道の夜明け

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朝日に向かって歩く

ラッセルの跡

 年度末にかかり、根詰め仕事が集中して苦しいのだが、仕方がない。
 今日は、休みをとってあったのだが、平常のとおり勤務した。

 福島第一原発周辺のプルトニウムを計測する機器がないという東京電力の話は、嘘だった可能性が高い。
 枝野官房長官は本日、原発敷地内からプルトニウムが検出されたのみならず、それが燃料棒の溶融によるものであろうことを明言し、「大変深刻な事態だ」と述べた。
 枝野氏の発言が根拠のないものとは考えにくいから、東電の話は嘘だとしか、考えられない。
 日本中の人々が心を痛めている問題に関し、虚偽を発表したり、事実を隠蔽しようとする東京電力の言うことは、全く信用できなくなった。

 事態は、相変わらずというか、深刻さの度を深めている。

 破滅的な事態を避けるためには燃料棒を、水でひたすら冷却し続けるしかないという。
 冷却期間は、3年から5年というから、長丁場の取り組みにならざるをえない。
 万一、何らかのミスにより冷却に失敗して原子炉格納容器が壊れれば、東日本の広い範囲が破滅的な情況になるのは免れない。
 現在取り組まれている決死の注水作業は、極めて重要だと思う。

 ところが、現在起きているのは、注水することによって漏れ出た水が、高い放射能に汚染されていて、作業を妨げているだけでなく、この高濃度汚染水を一時的に貯蔵する施設もなく、場合によっては、この水が海に漏れ出す可能性もあるという事態である。

 破滅に至らないためには、注水作業を止めることは絶対にできない。
 しかし、注水することによって、各種作業の足かせとなる高濃度汚染水を大量に発生させてしまう。
 放射性物質の封じ込めは、ほとんど絶望的に困難であり、破滅的な情況の回避を優先させるならば、汚染水を原発敷地の内外にどんどん運び出すなど、ある程度の放射能拡散はやむなしと考えるべきかもしれない。
 枝野氏が「大変深刻」と言っているのは、そのような意味だろう。

 こういう事態になっているのに、国営放送では、ニュースより高校野球の実況を優先している。
 一体、どういう神経をしているのだろうか。

 写真は、一昨日の夜明け前後。

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