オタマジャクシが降ってきた

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 引き続き、朝夕の草むしり。
 夕方は、暗くなるまで野良にいるのが原則である。

 野良仕事を終えて、トラックに乗ると、7時のラジオニュースをやっている。
 今日、スイッチを入れたのは7時18分くらいだが、国営放送では、「オタマジャクシが空から降ってきた」というニュースを伝えていた。

 オタマジャクシが空から降るなど、考えられない。
 とはいえ、そんな珍現象が決して起こらないとは、誰にも断言など、できない。
 だから数日前から、この報道には、関心を持っていた。

 ところが、国営放送では「オタマジャクシが空から降ってきた」ということを伝えながら、放送の根拠となるべきニュースソースについて、一切伝えないのである。

 国営放送の報道をよく聞いてみると、事実として存在するのは、「オタマジャクシや小魚が車上もしくは地上に散乱していた」ということだけである。
 「オタマジャクシが落ちていた」ことがどうして、「オタマジャクシが空から降ってきた」ことになるのか。
 その説明は、全くない。
 「オタマジャクシが降ってきた」ことの目撃証言も、客観的証拠も何もないのである。

 オタマジャクシが降ったかどうかなど、どうでもよかろうという方もおられるだろう。
 そのような方は、以下の記述など、あまり気になさらずに願いたい。

 一つの事実から憶測される推測を、事実として報道することについて、この放送局では、チェックしてないのだろうか。
 原稿を書いた番組編集者もデスクも、無神経過ぎだろう。

 オタマジャクシが降ったかどうかという、一見たわいもないニュースではあるが、事実と推測の混同という、報道の基本を踏み外した堕落に対し、怒りを感じずにはいられなかった。

 オタマジャクシ事件の今後については、注目している。
 それが事実であったならばたいへん興味深いことであるが、もし「降ってきた」のでなかったとすれば、国営放送のしかるべき立場の人は、責任をとらなくてはならない。(ちなみにネットニュースで見る限り、四大新聞で「オタマジャクシが空から降ってくるという珍現象があった」などと伝えているのは『朝日』だけである)

 写真は、観音岳から望んだ薬師岳。
 富士山はまだ、大量の雪に覆われている。

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