エビとマングローブ

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 あいかわらず寒い一日でした。
 最低気温氷点下6.5度はいいとして、最高気温3.7度がけっこうこたえました。
 午後には、秩父盆地でも激しい風花が舞いました。

 年末以来気になっていたことに、ひとつの答えが出ました。
 村井吉敬『エビと日本人』(岩波新書 1988年刊)を読み直すと、東南アジアにおけるマングローブ林伐採の最大の目的はリゾート開発ではなく、エビ養殖池作りにあったことがはっきり書かれていました。

 エビの最大消費国はもちろん、日本。
 日本でエビはまだ、高級食材の印象がありますが、われわれがそれなりの値段で買うエビを育てているインドネシアのエビ養殖漁民の手取りは、ごくわずかな額でしかありません。

 東南アジアにとって、それでもエビは外貨獲得の貴重な手段です。

 かくて、

====>養殖業者がマングローブを伐って養殖池を作り、貧しい漁民が稚エビ取りや下請け仕事で、わずかな日銭を稼ぐ。
====>日本の水産会社が技術指導を行う一方、冷凍した成エビを買い集めて日本に送り、莫大な利ざやを稼ぐ。
====>日本人が「ちょっとぜいたくしちゃうかな」と言いつつ、天丼を食べる。

という構図が見えてきます。

 マングローブは、上記『エビと日本人』にも、「自然の防潮堤の役割を果している」と書いてあります。
 気が重いのは、今度の津波の際、エビのために死ななければならなかった人が相当数いるだろうからです。

 * マングローブとエビ池の関連については、たとえばYahoo!の検索画面から <エビ 養殖 池 マングローブ> で検索するだけでも、参考になる情報が大量にヒットします。

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