日本の自衛隊がイラクに行った目的は「人道復興支援」だと言われており、現在までのところ、その成果はともかく、目的に明確に反する行為がおこなわれたという報道はない。
だからといって、自衛隊のイラク派兵が正当化されるわけではない。
自衛隊派兵のそもそもの前提である、アメリカによるイラク攻撃の正当性が、完全に崩壊したからだ。(asahi com)
こうなったからには、筋としては、アメリカはイラクから即時に撤退すべきだし、フセイン政権を含めすべての政治勢力によるイラク再建を、アメリカを含め国際的に支援して行くべきということになろう。
もっとも、現実にそれは不可能だが。
日本政府は、イラクの現実を直視した上で、上記の理想に沿う形の国際協力構築のリーダーシップをとるべきだ。
土井敏邦『米軍はイラクで何をしたのか』(岩波ブックレット No.631 ISBN4-00-009331-2 C0336 \480E)は、ファルージャなどにおけるアメリカ軍の所為を、衝撃的な証言や写真をもとに明らかにしている。
外国人を拉致することに対する賛否を、アラブ世界で問うたところ、一時は94%もの支持があったという(asahi com) 無関係の人を人質にとって政治的目的を達しようとする行為を肯定するなど、とうてい理解しがたいことである。
しかし、この薄い冊子を一読すれば、イラクの人々がどのような状況に追いつめられようとしているのか、容易に理解できるだろう。。
日本政府は、アメリカとグルになって、イラクの真実を隠蔽しようとしている。
国民としては、しっかりしたアンテナを建てて、より真実に近い、多くの情報に接する必要がある。
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