イラク情勢は、一段と混迷の様相を強くしています。
11月29日、米英軍占領当局に派遣されていた(アサヒコム)2人の日本の外交官が銃撃・殺害されてしまいました。
こちらのサイトでは、論拠のニュースソースを明らかにした上で、主にイスラム世界の情勢についてさまざまな角度から分析をされています。
これらを念頭に入れた上でニュースを読むと、この戦争が、数年で終了するような規模のものではないことが理解できます。
福田官房長官は、今回の事件はテロだと考えているようですが、NHKのカイロ特派員は今朝のリポートで、あれは戦争の一環だと断定していました。
どうも日本は、ことによると第三次(大惨事)世界大戦につながるかもしれない戦争に足を突っ込みかけているようです。
イラクとアメリカの関係は、1930年代の満州と日本の関係に似ています。
かつての日本が、撫順(フーシュン)の石炭や鞍山(アンシャン)の鉄鉱石利権をねらって満州事変を起こしたように、アメリカもイラクの石油資源をねらってイラク戦争を始めたと思われます。
アメリカは、来年6月を目途としてイラク人による政府を発足させるつもりのようですが、それは「満州国」同様、傀儡政権になるでしょう。
これ以上アメリカに荷担することで、抜き差しならない中東大戦争の泥沼にはまり込むべきではありません。
戦争の泥沼化を避けうる唯一の方法は、アメリカ・イギリスが完全に撤退し、国連が完全なイニシァティブをとる形で、民族や宗派が共存できるイラクを平和的に再構築することでしょう。
困難な課題ですが、外交とは本来、水と油を溶け込ませるような努力を必要とするものであるはず。
日本政府には、平和に向けたリーダーシップをこそ、発揮していただきたいと思います。
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