社会と政治

長崎肇『原水協で何がおこったか』

 1984年、原水爆禁止世界大会の分裂とともに、日本原水協が、日本共産党の介入によって分裂した。
 運動に携わってきた人々にとっては、痛恨のできごとだったと想像する。

 この事件には余波があった。

 1946年4月に映画監督の伊丹万作が書いた、「戦争責任者の問題」という、この上なく鋭い考察を紹介するとともに、その後60年近くを経た「日本」人がどれだけ変わっただろうかということをテーマとする対談録。

筆坂秀世『日本共産党』

 ちょっとした件で党を離党した著者が、日本共産党の実態とあるべき姿について述べた書。

小阪修平『思想としての全共闘世代』

 全共闘世代(いわゆる団塊の世代と重なる)が、この半世紀の間にどのような思想的体験を経てきたかを分析した本。

川上徹『査問』

 (革命)組織と個人の関係に関する衝撃的な事実が書かれている本。

辺見庸・佐高信『絶望という抵抗』

 骨太な二人の論客による対談。

知花昌一『焼きすてられた日の丸』

 1987年10月に行われた国民体育大会ソフトボール競技の開会式会場に掲げられた「日の丸」を著者が引き下ろして焼き捨てた事件とその後の裁判は、この時期を画するエポックだったのだと感じる。

なだいなだ『民族という名の宗教』

 社会主義体制の崩壊という現実に際して、社会主義とは何か、民族とは何かという問題を考えようとする、架空の対談。

米田綱路『抵抗者たち』

 「日本」がどのような国家になっていくのかを決定づけるような重要なエポックが、戦後史の中にいくつかあった。
 場面場面において、抵抗者の声は圧殺され、国家の論理が貫徹したかに見える。

城山三郎『官僚たちの夏』

 1960年代、通産省のキャリア官僚たちがどのように仕事をしていたかを描いた小説。
 登場人物の多くにはモデルがおり、登場する政治家については、それが誰かは素人でも推察できる。

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