秩父事件の最近の記事

黒沢正則『広域蜂起 秩父事件』

 前著と同じく、秩父事件は革命をめざした自由党員による武装蜂起であり、田代栄助ら最高幹部は逃亡したのではないと主張している。

内田満『一揆の作法と竹槍席旗』

 幕末から明治期にかけての、主として埼玉県域の民衆運動に関する論文集。
 特に興味を惹かれたのは、幕末における民衆運動の論理の展開に関する部分と、秩父事件に関する部分だった。

八木静子『伝蔵』

 井上伝蔵の生涯を描いた小説。

岩根承成『群馬事件の構造』

 群馬事件の歴史的な位置づけが明らかにされている。

松本健一『秩父コミューン伝説』

 秩父事件の思想についての評論。再読。

五十嵐睦子ほか『女たちの秩父事件』

 秩父事件を歩く会の「秩父事件と女たち」研究グループによる調査記。再読。
 秩父事件参加者の家族や流れ弾に撃たれて亡くなった女性の周辺を取材している。

保高みさ子『秩父事件の女たち』

 秩父事件参加者の家族に焦点を当てようとした短編小説集。

新井廣司『秩父事件と西南上州』

 群馬県甘楽・多胡・緑野地方の秩父事件参加者の行動・同地における困民党軍の動き・官側の対応等を、地域と時系列に沿って叙述されている。
 これを読めば、同地方における秩父事件の詳細がわかる、貴重な本である。

高橋哲郎『律儀なれど仁侠者』

 田代栄助の人間性を徹底的に追究しており、栄助の体温が伝わってくるような本である。

 主として田代栄助に焦点を当てながら、秩父事件の政治性を論証しようとしている。

 1984年における同大学の講演・論集。再読。

 秩父事件を経済過程と政治過程、すなわち真正面からの分析を試みた書。

河田宏『日清戦争は義戦にあらず』

 秩父困民党の組織者だった柳原正男は、事件後服役したが、のちに日清戦争の軍夫として従軍して没した。
 その彼がどのような思いで、日清戦争と関わったのかを描いた小説。

斎藤成雄『秩父に革命の嵐吹く 』

 秩父事件の顛末を描いた小説。

中畦一誠『やまなみ 残照』

> 著者は下日野沢に生まれ、現に在住されている。

 地元の人が隣組的目線で見た、秩父事件である。

 秩父事件のあとを時系列でたどった紀行文。

 いきなりで申し訳ないが、読むだけ時間の無駄というほかない。

河田宏『民乱の時代』

 秩父事件と甲午農民戦争の両方を体験した人物がいたという想定で書かれた歴史小説。

 二つの民衆蜂起の間には、10年の間隔があるが、共通する部分も大きいと思われる。

野口正士『石碑が語る秩父事件』

 秩父事件関係の石碑・墓石を調べた記録。

樋口四郎『秩父谷の怒り』

 秩父事件の概略を描いた小説。
 コンパクトな本に秩父事件の全体像を描き込もうとしているので、小説としてはずいぶんラフな印象があります。

中島幸三『井上伝蔵とその時代』

 前著の『井上伝蔵 秩父事件と俳句』同様、読みごたえのある本です。

 中嶋幸三氏の伝蔵論は、わが地域の総合誌『文芸秩父』誌上で、ときどき読んでいましたが、それを集大成したのが、この本です。

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