魚と釣り

西川恵与市『土佐のかつお一本釣り』

 明治から大正、昭和の戦後にかけて、「かつお一本釣り」という漁法がどのように変遷してきたか、あるいはこの漁法の勘どころは何かについての、当事者による記録。

塩野米松『にっぽんの漁師』

 老若の各種漁師のみなさんからの聞き書き。

松本市立博物館編『鰤のきた道』

 内陸に、美味しい海産物の産地がある場合がある。

 近江の鯖、甲州のアワビ、信州の寒天など。

 本書を読むと、飛騨のブリというのも、その一つらしい。

山本素石『つりかげ』

 ヘミングウェイの釣り小説は、急いで読むのが惜しいほどテンポがよく、無駄がなく、誇張や釣り自慢もない。

 井伏鱒二は高名な作家で、釣り小説を多くものしているが、釣り作家ではない。

根深誠『ヒマラヤを釣る』

 登山口から下山口まで歩く山歩きがダメだというわけではないが、そんな山行にはふくらみがないという気がする。

滝一『破天荒釣り師』

 近藤市太郎氏というへら釣り師の伝記。

 へら釣りをしたことがないのだが、どんな釣りでも、釣りは奥が深い。
 サカナを知り、自然を知らねば、サカナを得ることは出来ない。

森下雨村『猿猴 川に死す』

 明治〜大正〜昭和戦前期にかけての高知県での釣りを描いたエッセイ。
 杉浦清石さん以外の、現代の釣りエッセイが今ひとつと思えるのは、サカナと川しか見ていないのではないかと感じられるからだろう。

 釣り人の一人としてイワナの保護にかかわるようになって10年ほどになる。
 この間、秩父在来イワナの概略についての論文を1本書き、秩父在来イワナの概略についてのビデオを1本作った。

 淀川流域のイタセンパラ保護活動を行ってこられた木村氏による、イタセンパラ絶滅に至る経過報告であり、読んでいて胸が痛くなる本だった。

青柳陽一『岩魚が呼んだ』

 サブタイトルに「岩魚と加仁湯交遊録」とある。
 著者は、奥鬼怒岩魚保存会初代会長。

 本書によれば奥鬼怒岩魚保存会とは、1975年に設立された会で、

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