共生できる社会の最近の記事

田野大輔『ファシズムの教室』

 ファシズムを疑似体験するロールプレイング授業の実践報告。大学の授業である。

斎藤幸平『人新世の資本論』

 マルクスの読み直しによって現代の現代の課題にどう取り組むかを提起した書。
 ちょっとびっくりするようなマルクスの読み方だ。

 陰謀論の周辺を解説している。

 原子力研究をめぐる倫理的な問題に関する考察。再読。

武田砂鉄『わかりやすさの罪』

 ものごとを単純化したり、不透明な部分を捨象して、わかりやすく説明することや、単純化して理解することによって、十分吟味されなければならないことが捨て去られることを批判している。

藤田孝典『下流老人』

 『続・下流老人』より約1年前に出された正編。

柳美里『JR上野駅公園口』

 福島県浜通り出身で、上野駅周辺でホームレスとして暮らす人の目に映し出された戦後とはどのような時代だったのかを描いた小説。

藤田孝典『続・下流老人』

 著者は、死ぬ直前まで過労状態で働かねばならない時代が到来したと述べている。

江川紹子『「カルト」はすぐ隣に』

 オウム真理教に入信した人々の心性をわかりやすく分析しており、一連のオウム事件とは何だったのかを鮮やかに描いている。

木村知『病気は社会が引き起こす』

 2020年3月4日現在、新型ウィルスによるインフルエンザの流行が始まっており、一昨日からほぼ全国の小中高校が一斉休校に入った。

 同調圧力について考察し、それをしなやかにかわす方法について述べた本。

竹信三恵子『ピケティ入門』

 著者なりの『21世紀の資本』の読み方を展開した本である。

上原善広『日本の路地を旅する』

 「日本」の被差別部落(著者は「路地」と呼ぶ」)の探訪記。

上原善広『異邦人』

 カミュの小説の同じタイトルだが、世界数ヶ所における、マイノリティを訪ねたルポ集。

 ガザ・バクダッドは、どちらかと言えば、戦争の中の日常ルポである。

角田安正訳『国家と革命』

 「国家」についてのレーニンの考察。

 本書が書かれたのは1917年で、11月革命を前にした時期だったというから、ここでの理論的考察が、ことさら実践的な要請によるものだったことがうかがえる。

忌野清志郎『瀕死の双六問屋』

 ミュージシャンである著者のエッセイ。

 初版(2000,7)のあとがきに、この本は自分で書いた、とあるので、ゴーストライターが書いたものではないと思う。

 マルクス・エンゲルスの伝記というと、手放しの礼賛本ではないかと、まずは警戒してかかる。

 本書にも、そのような部分がないとは言えないが、まずまず冷静な記述なので、不愉快にならずに読むことができる。

 著者のいう「犠牲のシステム」とは、「ある者の利益が他の者の生活の犠牲の上に成り立っている。その犠牲は通常隠されているが、顕在化したときには『貴い犠牲』として美化される」というものである。

 フクシマと沖縄は、そのシステムを象徴していると、著者は考えておられる。

田中伸尚『ルポ良心と義務』

 学校における「日の丸」掲揚と「君が代」斉唱が強制され、「歌わない」「起立しない」人々に対する迫害が始まってから、久しい。

 この年月の間に、強制を強制と思わない人が、すでに相当部分になっていると思われる。

 「日本」人が自分の責任を棚上げして「悪いのは私じゃない」と他罰を言い募るようになったと主張する書。

 精神科医がそのように言うのだから、おそらくそうなんだと思われる。

 フランスあたりで、学生・高校生が、学費や年金問題など、さまざまなテーマで行動を起こすニュースをしばしば目にする。

姜尚中『悩む力』

夏目漱石とマックス・ウェーバーを例に、とことん悩むことの意味を説いた書。

 『21世紀の資本』のサマリーを平易に説いたブックレット。

三浦展『下流社会』

 日本国内における階層分化について、なかでも下層に属する人々について、詳しく分析している。

野中広務・辛淑玉『差別と日本人』

 「在日」の辛氏と著名な保守政治家である野中氏による、差別をめぐる対話。
 辛氏による、野中氏へのインタビューという感じでの対話である。

浜田晋『老いを生きる意味』

 若きゴータマ=シッダルタが城門の外で病んだ老人に遭遇し、驚愕したという逸話は、どんな人間にも衝撃的である。
 この逸話は、加齢を経るにつれて、セピア色からカラー写真のようにリアルさを増す。

新藤兼人『現代姥捨考』

 老シナリオライターの自己との対話。

香山リカ『若者の法則』

 高校生を含めた若者が日常生活の中で直面している身近なトピックスの持つ意味について心理学の立場から解説した本。

上田紀行『生きる意味』

 生きる意味について考えるヒントを示唆した本。
 世界有数の自殺大国である日本がどのように国なのかについても、興味ある分析がなされています。

佐江衆一『黄落』

 今の日本において、人が、長く生きることによって、否応なく向かい合わなければならない現実とは、どのようなものかを描いた小説。

 必要があって、これらの本を読むまで、精神障害を持つことは、どうしようもなくたいへんなことなのだと思っていました。

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