山と冒険

羽根田治『ドキュメント単独行遭難』

 単独登山での遭難事故のケーススタディ。

谷有二『山名の不思議』

 山名にどのような意味があるのかをあれこれ詮索した書。

佐野三治『たった一人の生還』

 レースのさなかに荒天のため船を失い、仲間を失いながらも生還したヨットマンの手記。

 1970代から1980年代にかけてのヒマラヤ登山は、「無酸素」とか「アルパインスタイル」とかに価値があるという風潮が強かったらしい。

 著者らもその流れに乗って、シシャパンマを三日で登るという計画に挑戦する。

細淵謙錠『極』

 白瀬矗の南極行を描いた小説。

 小説だが、明らかな創作とみられる部分はほとんどないから、著者は、ドキュメントに準ずる作品として執筆したのではないかと思われる。

チェリー=ガラード『世界最悪の旅』

 スコットとアムンセンの南極点到達競争の話は、子ども向けの本で読んで知っていたし、アムンセンの『南極点』や、本多勝一氏の『アムンセンとスコット』に、コンパクトにまとめられているが、スコット隊の実像については、この本を読まなければわからない。

山口耀久『八ヶ岳挽歌』

 『北八ッ彷徨』の著者による、1960年代から1970年代にかけての八ヶ岳の記録。

 八ヶ岳が観光「開発」にさらされ始めた前後の記録が含まれているので、八ヶ岳「挽歌」なのだろう。

山口耀久『北八ッ彷徨』

 1960年に初版が刊行された、山岳名著と言われる本。

 収録された山行記はおおむね1950年代のものである。

 中山峠をはさんで、しらびそ小屋の反対側(諏訪側)にある黒百合ヒュッテ主人のエッセイ。

 この本にも、昭和20から30年代の北八ヶ岳一帯の森林伐採の状況が記されている。

工藤隆雄『花守記』

 ミドリ池の池畔に建つしらびそ小屋主人の半生記であり、しらびそ小屋の歴史でもある書。

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