東洋史の最近の記事

加藤祐三『イギリスとアジア』

 19世紀のインド・清国とイギリスの経済的な関係を庶民の生活レベルから解説していて、面白い。

 やさしく書かれた朝鮮半島史。

愛新覚羅浩『流転の王妃の昭和史』

 愛新覚羅溥傑妃の自伝。
 著者は王妃じゃないので、このタイトルはどうかとは思う。

 晩年の張学良へのインタビューを中心に構成された書。

和田春樹『北朝鮮現代史』

 抗日戦争樹以来の北朝鮮の歴史を概観した書。

 北朝鮮指導部の内情や路線について事実に基づいて詳細に分析されており、わかりやすい。

文京洙『韓国現代史』

 戦後から廬武鉉(ノムヒョン)政権までの韓国政治・経済を概観した書。

『物語朝鮮王国の滅亡』

 朝鮮王国(末期には大韓帝国)は1910年に、大日本帝国によって滅亡に追い込まれる。

 それが「日本」による「加害」の歴史だということは事実なのだが、朝鮮の歴史は、「加害と抵抗」だけではないことを叙述した本。

井上清『新版「尖閣」列島』

 いわゆる尖閣諸島の領有権をめぐる歴史学的考察。

 結論として著者は、尖閣諸島は中国領だと述べている。

松本一男『張学良』

 張学良の伝記小説。

彭徳懐『彭徳懐自述』

 文化大革命の渦中にあって、毛沢東らによって粛清された中国人民解放軍の指導者、彭徳懐の自伝。
 自伝として発表するために書かれたものではなく、査問を受けるにあたって、彼が提出させられた、経歴書である。

ユン・チアン『マオ』(上下)

 毛沢東の伝記。
 上下で1100ページを超える大著であり、脚注や参考文献は本には収録されておらず、出版社のサイトからダウンロードできるようになっている。

高文謙『周恩来秘録』(上下)

 文化大革命の開始からその死に至るまでの周恩来の評伝。
 個々の事実に関する著者なりの見解が散りばめられてはいるが、上下あわせて700ページに及ぶ大著に記されている事実には、出典があげられている。

王慶祥『溥儀・戦犯から死まで』

 愛新覚羅溥儀の後半生を描いた評伝。
 出生からソ連軍による逮捕まではこの本には記されておらず、本書のテーマが溥儀の人間的「改造」だということがわかる。

井出孫六『中国残留婦人』

 中国残留日本人孤児について書かれた『終わりなき旅』の著者による、同書の姉妹編ともいうべき書。
 著者の熱い義憤が、読むものに伝わってくる。

角田房子『閔妃暗殺』

 1895年に起きた朝鮮国王妃殺害事件に関する歴史ノンフィクション。
 この事件・この本に対しても、新右翼史観による攻撃がかまびすしい。

笠原十九司『南京事件論争史』

 1937〜1938年にかけて起きた南京事件(南京大虐殺)が、日本人にどのように受け止められてきたかをまとめた書。

林滋子『中国・忘れえぬ日々』

 帰国する在日中国人の妻として1953年に中国に渡り、1972年に帰国するまでの間の体験記。
 結果的にだが著者は、反右派闘争(1957)、大躍進運動(1958)、社会主義教育運動(1965)、プロレタリア文化大革命(1966-)などを、外国人ながら一人の民衆として体験されている。

 ずいぶん以前に読んだ本の再読。
 1919年に朝鮮半島で起きた三・一独立運動に対し、日本政府は残忍な弾圧を加えた。

吉見義明『従軍慰安婦』

 従軍慰安婦設置の経過からその実態、さらに慰安婦問題の戦後処理について史料に基づき概観した本。

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