山村に生きる

宇江敏勝『山びとの記』

 同じ著者による『炭焼日記』の読書ノートに「この本で見る限り、著者は、山林作業の経済や自然環境や、生活自体を記録することにさほど熱心ではないようです」などと失礼なことを書きましたが、こちらの本には、山林作業の経済や食べ物や祀り等についてたいへん詳しく書いてあります。

 本書の最後にもふれてありますが、著者は無着成恭編『山びこ学校』の生徒の一人です。

 この国は、国土の大部分を山(傾斜地)によって占められています。
 こういう国が持続していくために、どのような暮らし方が必要か。
 わたしは、そのように問題を立てたいと思います。

青山宏『ある山村の革命』

 静岡県龍山村(現在浜松市と合併)森林組合が、林業とともに村を立て直していった記録。
 本が書かれたのが1970年代末なのですが、2006年現在も活発な事業展開をしているようです。

甲斐崎圭『山人たちの賦』

 マタギや山小屋オーナーなど、山で暮らす人々からの聞き書き。
 こういう本を何冊か読んできましたが、本書について言えば、読後感は今ひとつ。

宇江敏勝『炭焼日記』

 山林作業の合間に書かれた生活エッセイ。

 これらの文章が書かれたのはおおむね1970年代。
 舞台は紀伊半島南部の果無山脈です。

吉岡忍『奇跡を起こした村のはなし』

 新潟県黒川村の戦後村政史。
 村政史といってもここは48年にわたって伊藤孝二郎氏が村長を務められてきたので、氏による村づくりのアウトラインをスケッチした本といっていいと思います。

 着工をめぐる動きが大詰めを迎えつつある、熊本県川辺川ダムの地元、五木村周辺に生きるおおぜいの人々にとって、ダムとは何なのかを丹念に取材したルポ。

 兵庫県の過疎の村で、6人の子どもたちと暮らすお父さんの話。
 地球と調和して生きようとする著者の思いが、あふれ返っています。

内山節『里の在処』

 群馬県上野村は、埼玉県大滝村と県境を接し、広大な面積をもつ山村です。
 平坦地は少なく、陽当たりのよい山ひだに、集落が点在しています。

大西暢夫『僕の村の宝物』

 若い写真家が徳山村でしばらく生活をした、ちょっと珍しい体験を書き記した程度の本かと思って、気らくに読み始めました。

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