著者の他の本は、何かのテーマがあるが、この本は、紀州中辺路町野中での、著者の日常を淡々と綴ったエッセイ集である。
その意味では、一読することによって新たに開眼するということもさほどなく、淡々と読み終えた。
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著者の他の本は、何かのテーマがあるが、この本は、紀州中辺路町野中での、著者の日常を淡々と綴ったエッセイ集である。
その意味では、一読することによって新たに開眼するということもさほどなく、淡々と読み終えた。
著者が戦後、家族や仲間と共に炭焼きや林業労働に携わってきたかつての現場を、回想とともに訪ねて回った際のエッセイ。
読んでいると、薄暗く演出された博物館で、戦後まもない頃の林業労働の現場に関するよくできた展示を見ているようだ。
書名には「奇人考」とあるが、奇人の伝記ではなく、前半は、信州の特産物をめぐる人物群像、後半は、歴史の主舞台から少し離れたところを歩いた信州人物誌である。
江戸時代から明治にかけて、日本海で活躍した北前船の略史。
この著者の文章は実に読みやすい。
新潟県刈羽郡西山町の、戦後を中心とする定点観測史。
古き時代の、渓流の記録。
釣りの話がたくさん出てくるが、釣行記ではない。
また、古き時代とはいえ、よき時代の話でもない。
風前の灯とも言える山村暮らしの聞き書き。
対象は主として、丹波・丹後・湖北だが、聞取りが1981年頃とのことなので、それから30年がたとうとしている現在、ここに紹介された人々の多くは、もうご存命ではないと思われる。
2010年2月現在、民放ラジオでとても不愉快なCMが流れている。
それは耐震住宅の宣伝で、女優らしき人が「もう地震は怖くない」と断言するのである。
何たる不遜。何たる傲慢。
『心の民俗誌』の著者で、作家の小山勝清の伝記。
長野県木島平村に週末暮らしを始めた出来事記。
生活の拠点を村に移すのでなく、ライターとしての職業は都会の自宅でこなし、山村生活をエンジョイしようという暮らし方である。