山肌が日毎に色を濃くしていくのは、4月下旬から5月中旬ころにかけてです。
新緑が一段落したころに、里山の樹の花が咲き始めます。
新年度の疲れがどっと出る時期ではありますが、美しい新緑を眺めながら出勤するのは、なかなか楽しい。
これらの花々は、通勤途中の林縁に咲いていたものです。
外来植物ですが、ずいぶん日本の風景になじんでしまっています。
ニセアカシアが跋扈したことによって河畔林の生態系になにがしかの影響があったものと思われますが、ブラックバスほどに糾弾されてないのは、ニセアカシアの風景が目障りでないからでしょう。
蜜源としても貴重で、アカシア蜜はさわやかでとてもおいしい。
2006,5,18 小鹿野町
一つ一つの花は小さいのですが、大木が開花すると、たいへんみごと。
トチのみごとな咲きっぷりを見ていると、ミツバチを飼いたい気持ちになってきます。
秋になるとトチの実が落ちます。
太宰治の作品にあるように「ぼたん!」と落ちるので、やや危険。
トチ餅を作る根気と時間はまだ持っていません。
2006,5,15 小鹿野町
林縁で、やや色のついた白い小さな花を無数に咲かせるのはミズキ。
初夏の花ですが、高山に行くと真夏でも咲いていることがあります。
名前のとおり、水の流れのあるそばに咲いていることが多いような気がします。
2006,5,7 小鹿野町
川沿いや畑の縁などに、おそらくは植えられたものとおぼしきキリが生えていて、5月になると薄紫色の花を咲かせます。
かつては娘が生まれたときに、嫁にいくとき持たせるタンスを作る家具材として植えたといいますが、今は材から家具を作る職人も少なくなってしまったでしょう。
花はきれいなのですが、しおれる前にぼたっと落花するので、あまりいい印象を持っていません。
2006,5,7 小鹿野町
林縁といわず、川の中といわず、陽当たりのよい林の至るところに、フジがからんでいます。
雑木林・人工林に人の手が入っていた時には、木を変形させたり枯らしたりするアケビやフジのツルをこまめに切っていたのでしょうが、今はどこの林も放置されているので、さながらフジ天国と化しています。
とはいえ、山のフジが一斉に開花したときには、パープルカラーに染まった林縁が、とてもみごとです。
2006,4,27 小鹿野町
春の一時期、山肌のあちこちが薄いピンクに染まります。
これほどたくさんのヤマザクラが生えていたのかと、驚くばかり。
庭のサクラがウメの散り際に満開となりますが、ヤマザクラはそれよりやや遅く咲き始めます。
2006,4,29 吉田町
豪雪地帯に行くと、ごうごうたる雪解け水の流れのそばに、ウワミズザクラが咲いているのをよく見ます。
当地は寒くはあれ雪はほとんど降らないのですが、ところどころでウワミズザクラが咲いています。
雪国では、ウワミズザクラの若い実の塩漬けはポピュラーなお茶請けですが、こちらではウワミズザクラを顧みる人はほとんどいません。
2006,5,9 小鹿野町
巨大な花なので、遠くからでもよくわかります。
ただ、開花後すぐに、茶色くなって散ってしまいます。
つぼみの間に目をつけておいて、出勤途中でしたが、花が開いた時にすかさず撮りました。