教育

増田都子『たたかう! 社会科教師』

 東京都教育委員会の暴走ぶりは、異常そのものである。
 教育委員だった将棋指しが2004年に、「日本中の学校で国旗を掲げ国歌を斉唱させるのが私の仕事であります」と述べて天皇から「強制でないのが望ましい」とたしなめられたニュースがあった。
 東京の教育の世界では、右翼的であればあるほど喜ばれると思っているのだろう。

畠山剛『学校が消えた』

 岩手県の山村において、小中学校がどのようにして作られ、どのようにして消滅しつつあるかをあとづけた書。
 学校が、子どもの権利を保障するためでなく、国家の都合により適宜存廃されてきた歴史を明らかにしている。

シング『狼に育てられた子』

 学生時代の1975年に受講した「教育心理学」の講座で先生に読むように勧められた記憶があるのだが、奥付を見ると1977年刊とある。
 読めと言われたのはたぶん、同名のゲゼル著の方だろう。

斎藤貴男『教育改革と新自由主義』

 教育は子ども自身のために行われるという理念がある程度有効だったのは、1980年代まででした。
 1990年代以降、教育は国家のために行われるということが一層鮮明になり、子どもは国家の道具に過ぎないという思想が、堂々とまかり通るようになってきました。

 発達障害を持つ32歳の青年が、脳外科の手術によって急激な知的発達をとげたのち、手術に内包されていた致命的な欠陥により、急激な知的退行を体験するという小説。

干刈あがた『黄色い髪』

 どうしようもない自縄自縛に陥っている学校現場の現実と、そんな現実の中で、懸命に自分のアイデンティティを求めて苦闘する母子の内面を描いた小説。

八覚正大『夜光の時計』

 2002年春現在、定時制高校は、学校教育の最後の砦のひとつであるといえるだろう。

鎌田慧『生きるための学校』

 わたしの見たところ、このルポ集に収録されているのは、1990年前後の学校の姿だろうと思われます。

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