2006年10月アーカイブ

宇江敏勝『山びとの記』

 同じ著者による『炭焼日記』の読書ノートに「この本で見る限り、著者は、山林作業の経済や自然環境や、生活自体を記録することにさほど熱心ではないようです」などと失礼なことを書きましたが、こちらの本には、山林作業の経済や食べ物や祀り等についてたいへん詳しく書いてあります。

小山靖憲『熊野古道』

 古代末から中世にかけて殷賑を極めた熊野古道を、どのような人々がどのように歩いていたのか、文献に基づいて概説しています。

 熊野街道は、熊野三山に至るルートです。
 主たる道は、大和からの小辺地・奥駈道、紀州からの中辺地・大辺地道と伊勢道の5ルート。
 本書は、このルートの各所にまつわる史実や伝説、人物などを短く語ったアンソロジー。