秩父事件関係の石碑・墓石を調べた記録。
秩父事件関係の石碑は概ね把握しているつもりである。
事件を暴動と呼ぶ立場のものは比較的少なく、多くは、秩父事件の顕彰が進んできて以降に建立されたものである。
石碑に刻まれた文は、消えにくい。
だから建立者は、慎重に撰文するのだろうが、それでも本文は、建立された時代を反映せざるを得ない。
石碑を見るとき、その歴史的な意義と限界を踏まえる必要があるのは、そのためである。
本書は、主観的な記述をなるべく控えて、石碑の本文と最低限の補足的記述を淡々と記している。
秩父事件関係の石碑については、基本的文献になりうると思われる。
惜しいことに、校正ミスが目立つ。
ネット情報と異なり、印刷物もまた、紙の碑だから、慎重に記述する必要があろう。