岡村稔久『富士山のマツタケ』

 富士山におけるマツタケ狩りのガイドブック。

 富士山の5合目から上にはあまり関心がないのです。
 植物がほとんど生えていないし、(夏には)人があまりに多すぎて、たいへん汚れた山という印象を受けるから。

 しかし、樹林帯は自然度の高い、いいところです。
 御殿場口、須走口、吉田口の樹林帯をなんどか歩きましたが、野生動物には会わなかったものの、野鳥のさえずりが聞こえ、道路際ではさまざまな花も見られたし、各種きのこにも出会えました。

 この本は、マツタケ狩りの手引き書ではないので、これを読んだからと言ってマツタケが獲れるわけではありませんが、富士山のマツタケがどのような生態をもっているかが書かれています。

 マツタケを獲ろうとして出かけるのではなく、富士山の自然を理解しようとしながら樹林帯に目を凝らせば、得るものはたくさんあると思われます。

 八ヶ岳もそうですが、さほど遠いわけではないので、もう少しちょくちょく、富士山に出かけたいものです。

(ISBN4-635-88577-1 C0045 \2000E 1997,9 山と渓谷社 2004,8,25読了)