西丸震哉『滅びの大予言』

 内容的には、『41歳寿命説』(情報センター出版局)の続編の形になりますが、この本における西丸氏の筆致は、『41歳寿命説』に比べると、絶望的というか、あきらめの境地を強く感じさせます。

 あれだけ言ってもわからないのだから、もう滅びるしかない。笑って滅びましょうというモチーフが、この、説得力ある本を終始一貫しています。

 そういえば、西丸氏の予言した41歳寿命時代は、西暦2000年に到来するはずでした。
 氏の予言は当たるや否や・・・。

 西暦2000年に到来しないとしても、近い将来に日本が滅びちゃうだろうことは、ここ数年、はっきりしてきました。

 人間の生命や健康よりも大事なものがあると信じ、そのもののために人生を賭してなお、確信を持って生きてられるのですから、もうしかたないですね。

 でも、もう一度、あなたに問いかけてみたいと思います。

 いちばん大事なものは何ですか?

 乗り心地のよい自動車ですか。
 名誉ですか。
 会社(や学校)の飽くなき発展ですか。
 子どもたちがよい学校に入り、よい会社に就職して、自分のあとを追ってくれることですか。

 それとも、自分や自分の愛するものたちが、美しい自然の中で、心豊かに、優しい気持ちを持って生きられることですか。

 もし、あなたの考えが後者に近いならば、この本をお読みになることをおすすめします。

(ISBN4-88320-163-5 C0095 \1100E 1998,12 三五館刊 1999,1,20読了)