フジの花が咲き始めました。
ちょっとした里山に、こんなたくさんのフジが生えていたのかと驚くほど、たくさんの花房が、ぶら下がっています。
きのこ原木用の雑木林にフジが生えてるのを見つけたら、鉈で伐り払わなくてはいけません。
そうしないと、木に巻きついたフジは、その木をぐるぐる巻きにしたあげく、絞め殺して引き倒してしまいます。
10センチ以上にも育ったフジは、床柱なんかにはいいかもしれませんが、雑木には大敵です。
到るところでフジを見るのは、里に近い渓流です。
渓流の瀬音と、とても気持ちのよい酸素のにおい(?)、ミソサザイのさえずりを聞きながら育ったフジの花は、とてもおいしそうです。
美しく澄んだ安谷川の流れの上に垂れていた、いくつかの房を摘んで、酒にしてみました。
クズやニセアカシアと同様、花は洗わずに、そのままホワイトリカーに漬けます。
引き上げは3〜4日後。そして、熟成1年。
できあがった酒は、ほとんど無色透明。
光に透かしてみると、ほんの少し、褐色がかっているのがわかります。
ヤマブドウやガマズミの酒が色を楽しむ酒なら、ニセアカシアやフジは、匂いを楽しむ酒でしょう。
これをひとくち、口に含むと、初夏を待つ、甘い花の香りがひろがりました。
あの日もやっぱり、ひとつも釣れませんでした。
でも、愉しかった。
外はまた雨。
畑の作物には、恵みの雨です。
今晩は毛鉤を巻こう。
雨があがったら、また釣りに行こう。 |