ナツハゼ酒

ナツハゼ

奥久慈・檜山にて
ナツハゼ酒

花はアブラギク

 秋に漬け込んだナツハゼ酒をあけてみた。
 しびれるほど美しい、真紅の酒。
 こういうのは、アウトドアではなく、くつろげる自宅でこそ、飲みたいものだ。
 飲むのではなく、なめるのだ。

 味は、ツツジ科の液果特有の甘酸っぱさに、ほのかにナナカマド臭が混じる。
 美酒の部類にはいるといってよい。
 こんなに美しい酒を飲んでもよいものだろうか。

 山の幸をいただくと、すごく浄化されたような気分になることがよくある。
 美しい酒をなめたときや、胃の腑にしみいるうまいキノコを食べたときがそう。
 感謝あるのみ。

 ナツハゼは、奥久慈の檜山とか、沼田の戸神山とか、急傾斜の里山でよく見るような気がする。気のせいかもしれないが。