カラハナソウ酒

カラハナソウ

群馬県根利川にて
カラハナソウ酒

花はノアザミ

 この秋に漬け込んだカラハナソウ酒をあけてみた。
 漬け込んでしばらくで、エキスは浸出するので、穂果はすでに引き上げてある。
 まだ、三ヶ月しかたたないのに、早くも美しく澄んだこはく色。
 これがおいしくないはずがない。

 若いリキュールは、鼻をつく未成熟なにおいをともなうことが多いのだが、酒としての成熟度も、けっこう高い。
 カラハナソウは、日本産のホップだから、つまらない酒になるはずがない。
 すきとおった苦味がここちよい。
 酸味とともに、苦味はリキュールの原点だと思うが、カラハナソウ酒は、苦味酒のなかでも秀逸だ。

 このカラハナソウは、群馬県片品川水系、根利川でヤマメ釣りをしたとき、竿をしまったところに咲いていたものだ。
 いつものとおり、あまり釣れなかったが、雨のあとだったらしく、なかなかの水量で、これぞ渓流といえる、いい渓だった。

 カラハナソウは、日本の山野ならどこにでも、生えている。
 道ばたのは、ほこりをかぶっていそうなので、渓流沿いの立木にからんだ株などが、ねらい目だと思う。
 摘んだ穂果は、いったん天日で乾燥させてから、漬け込む。
 果実酒の場合、素材によけいな水分があると、アルコールの浸透圧が弱くなり、腐敗や酸化の原因となるから、水分を減らしてから漬け込んだ方がうまくいく。
 素材の引き上げのタイミングは、それぞれちがうが、カラハナソウの場合一ヶ月でうまくいった。

 うまくいけば、なかなか楽しめるので、来年はも少したくさん作ってみよう。