ナラタケモドキをとりに、首筋と腕に防虫スプレーをかけて、長尾根に入った。 いくらスプレーをかけても、執念深いヤブ蚊が寄ってくる。 スプレーを塗り残したところ、例えば、頭のてっぺんを蚊に刺されると、人生がいやになる。
それでナラタケモドキが、すでに古くなっていたとしたら、とても悲しい。
この日も、そんな挫折を味わった。 そんなおれを、群生していたナギナタタケが、慰めてくれたのだった。