「おい。ここらで一服するか」 「そうだね。そうしよう」 「暑いねぇ」 「まったくあちいなぁ」 「早く秋になんないかねぇ」 「まったくだ」
と言いつつ寄りそう、二人であった・・・。
きのこに温度感があるとすれば、チチタケは、もっとも温かい部類にはいると思います。 カサも柄も、このように黄土色のビロードに包まれています。 チチタケの、この温かみが、わたしは好きです。
里山では、群生することはめったになく、ぽつり、ぽつりと出ます。
しかし、ブナ林に行くと、大群生していることがよくあります。 当地(埼玉県)では、あまり省みられないきのこですが、栃木県では大人気。 那須や塩原に行くと、道路はたにチタケ(チチタケ)売りの看板がたくさん立っています。
傷をつけると白い乳液が出るのは、ご存じですね。 これを放っておくと、黒っぽい傷になります(それに乾いた乳液は洗ってもなかなか落ちない)ので、なるべく傷をつけないよう、ていねいに扱った方がよいです。 ぱさぱさして、歯ごたえがよくないので、わたしはよく、刻んで油で炒めてから使います。