チチタケ

農作業のあいまに一息入れるチチタケの若夫婦

 「おい。ここらで一服するか」
 「そうだね。そうしよう」
 「暑いねぇ」
 「まったくあちいなぁ」
 「早く秋になんないかねぇ」
 「まったくだ」

と言いつつ寄りそう、二人であった・・・。

チチタケ(食用)

1997,8,12 朝日連峰

 きのこに温度感があるとすれば、チチタケは、もっとも温かい部類にはいると思います。
 カサも柄も、このように黄土色のビロードに包まれています。
 チチタケの、この温かみが、わたしは好きです。

 里山では、群生することはめったになく、ぽつり、ぽつりと出ます。

 しかし、ブナ林に行くと、大群生していることがよくあります。
 当地(埼玉県)では、あまり省みられないきのこですが、栃木県では大人気。
 那須や塩原に行くと、道路はたにチタケ(チチタケ)売りの看板がたくさん立っています。

 傷をつけると白い乳液が出るのは、ご存じですね。
 これを放っておくと、黒っぽい傷になります(それに乾いた乳液は洗ってもなかなか落ちない)ので、なるべく傷をつけないよう、ていねいに扱った方がよいです。
 ぱさぱさして、歯ごたえがよくないので、わたしはよく、刻んで油で炒めてから使います。