源流できのこを食べる(1)  このページは、「郁楓庵」と「山と渓ときのこと酒と」とがリンクして作られています。

源流でとれるきのこ(1)

 源流釣りに、下界の食材は、最低限のものしか、持っていかないようにしたいものです。(非常食は必要です)
 だって、重いぢゃないですか。(^^;)

 それより、いろいろな渓の恵みを感謝しつついただく方が、ずっと幸せになれます。

 雪解けの時期には、ウドやタラノメ、コシアブラ、コゴミなど山菜類も豊富です。
 おみやげにもっとたくさんとって帰ろう、なんて思わないことです。

 とりたてのウドに、ひとかけらの生みそをなすりつけてかじる瞬間の口福は、その場にいるものにしか、わかりっこないのです。

 渓に感謝し、雪に感謝し、春の訪れに感謝するのみ。
 あと、わずかのアルコホルがあれば、・・・。
 わずかぢゃなくてもいいけど。(^^;)

 夏から秋には、きのこに出会う機会が多くなります。

 釣れなかったときも、きのこがあると、とても救われます。(^^;)
 きのこのたくさん出た倒木は、尺イワナにまさる喜びです。

 源流域のきのこについて、安谷が見たことのあるものをいくつか紹介します。(発生時期はいちおうの目安です)


ウスヒラタケ(秩父・滝川にて)

ウスヒラタケとヒラタケ(6〜7月)

 秩父の源流では、梅雨時、ブナの倒木にウスヒラタケが出ます。
 たくさん出る年には、とてもとりきれないくらいです。
 より色の濃いヒラタケも出ます。
 雪国で、これが出るのは、7月に入ってから。梅雨の末期でしょう。

 店で売っているシメジやエリンギィの仲間なので、大きくなっても、うま味が濃く、歯切れもますまずです。
 ヒラタケは、晩秋にも出ます。

 うまみ系のきのこなので、あらゆる料理に合います。
 うどんの具に入れる。
 山菜類といっしょに煮込んで、練った小麦粉を落としてスイトン。
 アルミホイルに包み、しょうゆをたらして蒸し焼き。(まだやってない)


キクラゲ(7〜8月)

 黒褐色のゼリー状のきのこ。
 って、だれでも知ってますね。(^^;)

 キクラゲは、夏のきのこ。梅雨の末期や初秋に、ブナ倒木に出ています。
 とある源流で、キクラゲの冷やし中華をつくってみました。
 これが、うまいのなんの。

 ほかに具がないとさびしいので、ウワバミソウ(ミズ)やギョウジャニンニクをゆでてのせると、見た目もきれいですね。


トンビマイタケ(東大鳥川にて)
トンビマイタケ(8月)

 お盆のころに、枯れたブナやブナ大木の根ぎわに出る、巨大なきのこ。
 ひと株で20kgくらいはあるので、ひとかけら食えればたくさんです。(^^;)

 割ったり、さわったりすると黒く変色するので、ていねいに扱った方がよろしい。
 処理するときは、水流にひたしながら手で裂くと、黒くなりにくいようです。

 このきのこは、煮ると本来の味が出ませんので、油で炒めるべきだと思います。
 この次、お盆ころに山形に行くなら、油とみそと七味なんか、持っていこうと思います。


チチタケ(8月)

 チチタケは秋の雑木林にぽつん、ぽつんと出るきのこだと思っていたら、さにあらず。
 山形でも、秩父でも、真夏の渓流沿いによく出ているのです。

チチタケ(朝日川にて)
 傷をつけると、白い乳液が出ます。
 ナマで食ってもうまいという人もいます。
 このきのこを見せると、なぜか栃木県民は興奮するのですが、山形では、見向きもされていませんでした。不思議ですね。

 チチタケは食ってうまいキノコではないと、私は思います。
 だって、ぼそぼそしてるんだもん。
 栃木県民のみなさんごめんなさい。m(__)m

 しかし、チチタケのだしは、秀逸です。
 私は、このだしとふつうのつゆをまぜた、チチタケそばつゆを使って茶そばをいただいてみました。
 水の豊富な渓流ならではの一品ですね。

 もちろん、そうめんにもぴったりだと思いますよ。(^^;)


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