ホテイシメジは悲しいきのこ。
これを食べるときには、食前食後、各三日間の禁酒を強いられるからです。
最後にホテイシメジを食べたのは、一夜を過ごした、晩秋の金峰山小屋ででした。
このときは、小屋番さんが留守だったのですが、小屋にはいると、前日ルートミスして南側斜面でビバークしたという初老のご夫婦がおられ、ご主人は軽いけいれんを起こしておられるようすでした。
のんびりきのこ狩りをしながら登ってきた私と友人は、とりあえずきのこ汁を作ってさしあげたのでした。
そのとき、いっしょにホテイシメジを食べて以来、このきのこを口にしておりません。
とてもおいしいきのこでした。
山で見かけても、どうせ食べないので、もちろん採取もしません。
思い出のホテイシメジは、釣り落としたイワナの大きさのように、ますます美味になってきました。
関連写真 ひだ1(1996,10,13 猿ヶ京・唐沢山)
関連写真 ひだ2(2007,10,14 山梨・釈迦ヶ岳)
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