ピーマンは以前、苗を買っていたが、最近はずっと種から作っている。
温室がないと、早期の実生苗つくりは、かなり困難である。
苗から育てるときは、よい苗を早めに購入し、大きめのビニールポットに植え替え、しばらく自宅で育ててから5月の連休明け頃に植えつける。
種から育てるときには、発芽可能な条件に応じて、ポット類に種まきする。
種まきには、上のような自作の発芽器を使う。入れ物は、適当な大きさのプラスチックボックスで、コードを通す穴をあけておく。適当というのは、下記の資材が入る大きさということである。
下に薄いレンガ板を敷き、その上にペット(ハムスターなど)用の保温器をおいて、さらにベニヤ板をのせる。
3月初めごろに、ビニールポットに種をまき、アルミ製のトレイに並べて、発芽器に入れて蓋をする。
ピーマンの発芽率は意外に高い。
3月下旬ごろに鉢上げするが、まだ寒いので、プラスチックの衣装箱に入れて育てる。もう加温はしない。
生育はすこぶる遅い。5月初旬になっても、店頭で売られているものと比べて、情けないほど小さく、5月中旬に植えつけることができれば、上出来だ。
肥料の流亡防止と乾燥防止のため、うねを立てて、マルチを敷く。
収穫はほぼ毎日になるので、うね間の通路はゆとりをもって作っておく。
強い風が吹くとすぐ折れるので、植えつけと同時に支柱を立てる。
最初の頃に出る枝は折って、株の成長を図る。
主幹を3本くらい伸ばすのが基本だが、うっかりしている間に枝が混み合い、あとで困ったことになるから、いらない枝はどんどん切り捨てる。
はじめのうちはとにかく、収穫より木を大きくすることに注力する。
とはいえ、プロがやるほど立派な木を育てるのはむずかしい。
追肥するのを忘れがちだが、真夏になるとどんどん実るから、収穫する一方だと気の毒で心が痛むのが、まともな感覚だ。
盛期にも、必要な剪定を心がける。
10月になれば、さすがに元気がなくなってくるが、成長したピーマンは寒さに強い。
初霜が降りて株が枯れるまで、ずっと収穫し続けることができる。
秋になると、とり遅れた実が赤く色づいてくる。
真っ赤になれば完熟で、甘くて美味しいが、まもなく悪くなる。
そうなれば、種も熟しているから、種をとって乾かし、保存すれば翌年また作ることができる。
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