虚空蔵山という山は各地に数多ありますが、こちらの虚空蔵山は、旧四賀村営の松茸山荘に泊まったおりに見つけた山でした。
四方から登山道が通じ、会田富士なる愛称を持つ由緒ある山と聞けば、登らないわけにはいきますまい。
今にも降り出しそうな雲行きの日だったため、北アルプスの大観を望むことができませんでしたが、田植えの終わったばかりの田んぼに端正な山容を映すマイナーな里山に登れて、充実感たっぷりでした。
2006年5月アーカイブ
甲信国境の横尾山は、展望もよいそうなので行ってみたかった山でした。
ただし、どうせ行くなら信州峠からのピストンでなく、ヤブルートであっても飯盛山へ抜けてみたい。
うまい具合にチャンスがありましたので、天気はよくありませんでしたが、考えていたコースを歩いてみました。
期待していた展望には恵まれませんでしたが、思ったよりいろいろな花に会うことができました。
2006,5,27 虚空蔵山
初夏に佐久から小諸あたりを走っていると、ズミの花が真っ白に咲いているのを見かけます。
ズミは陽あたりのよい山の中に多い樹木。
花のない時期にはあまり意識しませんが、大きくて白い花がいっせいに開花するので、一度咲くと実にあでやかです。
2006,5,27 虚空蔵山
雑木林の林床で、ナルコユリに似た白い花を10個前後、ぶら下げます。
ナルコユリの茎が丸いのに対し、こちらは稜があって多角形をしています。
初夏のさわやかな風が似合う花です。
2006,5,27 虚空蔵山
うちの近所でもかつては陽あたりのよい道路沿いに、たくさん群生していて、青い星のように咲き乱れていたのですが、近年ずいぶん少なくなってしまいました。
園芸店で似た花を見ますが、それは西洋種らしい。
花が古くなると、写真の中ほどにあるようにピンク色へと変色してしまいます。
2006,5,26 横尾山
アマナは早春の里の花。
家の近所にもたくさん生えていますが、山ではあまり見かけません。
横尾山の山道でも、咲いていたのはこの1株だけでした。
2006,5,26 横尾山
小さな群生地でしたが、ちょうど満開でしたので、なかなか見応えがありました。
2006,5,26 横尾山
イチゲやニリンソウの仲間ですが、花茎が4〜5本も出るところが、なかなか豪華です。
2006,5,26 横尾山
あまりに小さいので、うっかりすると見過ごしてしまいそうです。
ここのヒメイチゲは小さな群落を作っていましたので、なかなかみごとでした。
2006,5,26 横尾山
これは里に咲くアズマギク。
陽あたりのよい草原に1輪だけ咲いていました。
2006,5,26 横尾山
花数は2〜3輪のことが多いのですが、この個体は10輪も一度に咲いていて、たいへん豪華。
花のあとには小さな丸い実をつけます。
2006,5,26 横尾山
ワチガイソウはよく見ると可憐な花ですが、ワダソウはちょっと見ただけでも可憐だと思ってしまう花。
山道の道ばたにいくつも咲いていました。
外来植物ですが、ずいぶん日本の風景になじんでしまっています。
ニセアカシアが跋扈したことによって河畔林の生態系になにがしかの影響があったものと思われますが、ブラックバスほどに糾弾されてないのは、ニセアカシアの風景が目障りでないからでしょう。
蜜源としても貴重で、アカシア蜜はさわやかでとてもおいしい。
2006,5,18 小鹿野町
一つ一つの花は小さいのですが、大木が開花すると、たいへんみごと。
トチのみごとな咲きっぷりを見ていると、ミツバチを飼いたい気持ちになってきます。
秋になるとトチの実が落ちます。
太宰治の作品にあるように「ぼたん!」と落ちるので、やや危険。
トチ餅を作る根気と時間はまだ持っていません。
2006,5,15 小鹿野町
林縁で、やや色のついた白い小さな花を無数に咲かせるのはミズキ。
初夏の花ですが、高山に行くと真夏でも咲いていることがあります。
名前のとおり、水の流れのあるそばに咲いていることが多いような気がします。
2006,5,7 小鹿野町
川沿いや畑の縁などに、おそらくは植えられたものとおぼしきキリが生えていて、5月になると薄紫色の花を咲かせます。
かつては娘が生まれたときに、嫁にいくとき持たせるタンスを作る家具材として植えたといいますが、今は材から家具を作る職人も少なくなってしまったでしょう。
花はきれいなのですが、しおれる前にぼたっと落花するので、あまりいい印象を持っていません。
2006,5,7 小鹿野町
林縁といわず、川の中といわず、陽当たりのよい林の至るところに、フジがからんでいます。
雑木林・人工林に人の手が入っていた時には、木を変形させたり枯らしたりするアケビやフジのツルをこまめに切っていたのでしょうが、今はどこの林も放置されているので、さながらフジ天国と化しています。
とはいえ、山のフジが一斉に開花したときには、パープルカラーに染まった林縁が、とてもみごとです。
2006,4,27 小鹿野町
春の一時期、山肌のあちこちが薄いピンクに染まります。
これほどたくさんのヤマザクラが生えていたのかと、驚くばかり。
庭のサクラがウメの散り際に満開となりますが、ヤマザクラはそれよりやや遅く咲き始めます。
2006,4,29 吉田町
豪雪地帯に行くと、ごうごうたる雪解け水の流れのそばに、ウワミズザクラが咲いているのをよく見ます。
当地は寒くはあれ雪はほとんど降らないのですが、ところどころでウワミズザクラが咲いています。
雪国では、ウワミズザクラの若い実の塩漬けはポピュラーなお茶請けですが、こちらではウワミズザクラを顧みる人はほとんどいません。
2006,5,9 小鹿野町
巨大な花なので、遠くからでもよくわかります。
ただ、開花後すぐに、茶色くなって散ってしまいます。
つぼみの間に目をつけておいて、出勤途中でしたが、花が開いた時にすかさず撮りました。
2006,4,29 破風山
マルバスミレは、葉っぱに毛が密生した白いスミレですが、タチツボスミレのようにどこにでも咲いているわけではありません。
2006,4,29 破風山
登山道の道ばたもスミレだらけです。
2006,4,29 破風山
地味な緑白色の花だし、下を向いているので、チゴユリに目をとめるハイカーはほとんどいません。
桐生川の水源、根本山周辺は自然林の美しいところです。
この自然をこわさないでほしいものです。
1996,5,3 三境山
三境山は美しい山です。桐生川源流では随一ではないかと思います。
この山の南斜面、ミズナラの自然林の林床にアケボノスミレが点々と咲いていました。
葉を広げる前に、美しい花を精一杯咲かせています。
むらさきより、ピンクの強いスミレです。
1996,5,3 石鴨
高山植物のムカゴトラノオに似た花ですが、これは低山の春に咲く地味な花。
葉っぱの広いのはクリンユキフデです。
山道に咲くので、思わず踏みつけそうになってしまいます。
この花は、三境林道入口のおそば屋さんの裏で見つけました。
1996,5,3 石鴨
三境山から石鴨への下山道は、三境林道のために、廃道寸前でした。
スギ林わきを歩いていると、白っぽいぼんぼりのような花がたくさん咲いているのが見えました。
近づいてみると、ミツマタの花。庭木のジンチョウゲの仲間です。
昔、和紙を作るためにここで栽培されていたのでしょうか。
1996,5,3 根本沢コース
これは、ヒトツバエゾスミレです。
山渓の『日本のスミレ』には、写真も索引にも載っていないのですが、ヒトツバエゾスミレの白花がナルカミスミレだと書いてあります。
しかし、茎の青くないのは、厳密な意味でナルカミスミレとは言えないそうです。
この花、本家の鳴神山にもたくさん見られました。
ここでは両神山・二子山に限らず、両神山群から上武山地一帯で見た花を紹介します。
おもな山は両神・二子・父不見・城峰・破風などです。
4月末の両神山では、アカヤシオはようやくちらほらというところでした。
薄川に沿った日向大谷からの登山道は、早春の花がたくさん咲いていました。
父不見(ててめーじ)山で山火事が発生したのは、2000年2月でした。
それまでは、主にスギが植林された山でしたが、19.6haが消失した現在は、遠望すると禿げ山のように見えます。
一帯は、その後の植栽によって、一歩一歩復活の道をたどろうとしています。
春の櫛形山は、とても静かな山でした。
高さがあるので、5月下旬になってようやく、春の盛りという風情でした。
ここで紹介した以外にも、イカリソウ、ラショウモンカズラ、シロバナノヘビイチゴ、ミヤマカタバミ、クサボケなど、いい花がたくさん咲いていました。
樹木では、アヤメ平上部のオオカメノキがとてもみごとでした。
今少しシーズンをずらせば、またいろんな花が見られることでしょう。
甲武信岳は基本的に、樹林帯の山です。
でも、わずかに森林限界を超えているので、初夏あたりに出かけると、高山の花を見ることもできます。
この季節は、アズマシャクナゲを見に来る観光ハイカーが多いので、十文字峠あたりはずいぶん混雑します。
豪雪の山だけに、雪解け直後の谷川岳は花が豊かです。
フキノトウやショウジョウバカマのような早春の花から、ハクサンコザクラのような初夏の花まで、まさに百花繚乱。
ここにあげた以外にも、ホソバヒナウスユキソウやオゼソウのような蛇紋岩帯固有種も見ることができました。
櫛形山は、南アルプスの前衛。
高山ではありませんが、中級山岳らしい花々と、一部に面影を残す原生林がみごとです。
6月には、原生林やカラマツ林の林床を埋め尽くす、マイヅルソウやカニコウモリがとても和ませてくれました。
この時期ならではの花もいくつか見られました。
アヤメを見るには、7月中旬。でも、他のシーズンにも歩いてみたい山です。
北八ツも、典型的な樹林帯。
深い森の中で、白い小さな花たちが、秘やかに咲いています。
2005年の夏の山は、どこへ行っても雨に降られました。
雨飾山も、歩き出しは霧雨の中でした。
ガスってはいたものの、どうにか、一日曇りあんばいですみました。
山頂直下の笹平は、マツムシソウやオヤマリンドウが咲き乱れていて、とてもいい感じでした。
2005,8,28 雨飾山
小谷温泉上の登山口から登る道は、荒菅沢を渡って主稜線に取りつきます。
渡渉点よりやや手前の林縁に、ツルニンジンがいくつもからんでいました。
秩父や丹沢でも、渓流のそばで咲いているのを見たことがあります。
2005,8,28 雨飾山
この花も、深山の渓流沿いで見かける花です。
畑で栽培しているゴマの花にとてもよく似た花を咲かせていました。
2005,8,28 雨飾山
登山口近くと頂稜の、いずれも水はけのよい砂礫地に咲いていました。
朝日連峰の大鳥池と以東岳の間の登山道にもたくさん咲いていた記憶があります。
1998,7,27 大朝日岳
山頂に、ヤマトリカブトの株があります。
この写真は、夜明けに撮影しましたので、色があせていますが、大朝日岳のご来光は、感動的な光景でした。
1998,7,27 大朝日岳
小屋周辺には、そこここに山の花が咲いていました。
このクルマユリは、分かれた枝のひとつひとつに花をぶら下げた、みごとなものでした。
1998,7,27 縦走路
高山の道ばたや、砂礫地を歩いていると、よく目にします。 小さな花ですが、大株が咲いていると、ピンクの座布団のようで、みごとです。
1998,7,27 縦走路
風衝草原でときどき咲いています。
この花は寒江山あたりで見ました。
荒れ地に咲くカワラナデシコよりも、花びらの切れ込みが深いので、とても繊細な印象を受けます。
1998,7,27 縦走路
関東の高山あたりで見るマルバダケブキに似ています。
マルバダケブキよりやや小型で、頭花の分かれ目に苞(さやのようなもの)があるのが特徴だそうです。
1998,7,27 縦走路
朝日に行くなら、この花を見たいと思っていましたが、時期的に遅かったので、ほぼあきらめていました。
でも、この程度の名残の花なら、見ることができました。
わたしはこれで、十分、満足しました。
1997,8,15 以東岳
中部山岳や尾瀬あたりの、湿りけがあって陽当たりのよいところでは、初夏にタテヤマリンドウをよく見ます。
朝日連峰では、真夏にミヤマリンドウが咲きます。
稜線上の道ばたなどに、青い宝石のような花をたくさん咲かせている大株は、とてもみごとです。
1997,8,15 以東岳
ウメバチソウは、秋の花。
真夏からぽつぽつ咲き始めますが、この花を見ると、秋の訪れを感じます。
1997,8,15 以東岳
マツムシソウは、陽当たりと水はけのよい山地なら、どこにでも見られる花。 それにしても、以東岳のタカネマツムシソウがいっせいに咲いているようすは、みごとです。 山頂より東、オツボ峰から大鳥池への下降点にかけてが、特にすばらしく、中には、この花のようにピンクの花も見られます。 わたしが訪れたとき、一帯では、ベニヒカゲが乱舞していました。
1997,8,15 以東岳
ハクサンイチゲは、夏の高山であればどこででも見られるポピュラーな花だと思います。
以東岳から縦走路に入ったあたりの風衝草原は、トウゲブキやハクサンイチゲの群落で、たいへんみごとでした。
1996,8,4 不動平からの登り
里山に咲くハンショウヅルは、萼片がこのように開きませんし、花の大きさも、ずっと小さい。
こちらミヤマハンショウヅルは、とても美しくて、いかにもクレマチスの仲間という感じです。
1996,8,4 山頂付近
山頂付近のガレ場にたくさん咲いていました。
イワブクロが生えるのは、コマクサと似たようなところのですが、コマクサとは混生していませんでした。
1996,8,4 地獄谷近く
裏岩手方面から来ると、黒倉山の先で、鬼が城コースとお花畑コースに分かれます。
お花畑コースに下っていくと、イソツツジが咲いていました。
初めて見た花なので、とてもうれしかったです。
3日間の実行動中ほとんどが雨、風、雷という山行でした。
そのためカメラもずっとしまったままでした。
ほとんどの花は見て過ぎてしまいましたが、さすがに花の多い山でした。
強風が富山県側から吹いていたので、鑓温泉への下山道はまずまず快適でした。
大出原のお花畑でも各種の花が咲き乱れていました。
2005,8,10 白馬岳
お盆前とあって、ウルップソウはほぼ咲き終わっていました。 白馬岳山頂から白馬山荘の周辺にいくつかが咲き残っていました。
2005,8,10 白馬岳
早池峰山で見て以来、久しぶりに見ました。
稜線のあちこちで見ましたが、あまり数は多くありませんでした。
2005,8,10 白馬岳
主稜線よりやや下った、湿度の多い所にたくさん咲いていました。
つぼみの状態だと真っ黒なので、黒い花が咲いているように見えます。
2005,8,11 白馬岳
鑓温泉から下っていくと、しだいに中腹の草花が多くなってきます。
シロウマアサツキの群生地は、一ヶ所だけだったように思います。
ちょっと見ただけでシブツアサツキと区別するのはむずかしい。
2005,8,11 白馬岳
この花も、鑓温泉のテント場でしか見かけませんでした。
この山行中まずまずの天気だったのはこの日だけでしたから、この写真が撮れてよかったと思います。
2005,8,11 白馬岳
雷岩手前のザレ場に点々と咲いていました。
この花は盛りを過ぎていますが、よく咲いていてくれたと思いました。
2000年の梅雨明けと同時に、南アルプス南部を歩いてきました。
椹島から千枚小屋までの樹林帯の登りは、重荷のために、息も絶え絶えでした。
でも、このような花たちのおかげで、登りつづけることができました。
山小屋やテント場は、海の日の前とあって、わりあい、すいていました。
千枚小屋・荒川小屋・聖平小屋は、稜線よりかなり下ったところに位置しているだけあって、湿性のお花畑が、みごとでした。
赤石岳南の百間平界隈も、花数は少ないものの、各種の花が咲いていました。
悪沢岳(わるさわだけ)は、南アルプス南部の最高峰だけあって、花の数も種類も、随一でした。
塩見岳をはじめとする、北部の山々の展望も、すばらしかったし、北側のカールも、荒川小屋の建つ南側のカールも、見ごたえがありました。
赤石岳は、南アルプス(赤石山脈)南部の主峰です。
高さでは、悪沢岳にややひけを取りますが、北に悪沢、南に聖と、どっしりした3000メートル峰を従えた、美しい高まりは、貫禄十分でした。
2000,7,17 千枚小屋への登り
ギンリョウソウは、いたるところで、よく見るのですが、シャクジョウソウは、めったに見ないのです。
ほんとうに、金の杖のようです。
2000,7,17 千枚小屋への登り
ゴゼンタチバナなどとともに、樹林帯の登りで、目を慰めてくれる、ありがたい花。
これが実になり、秋になると、赤く色づきます。
2000,7,17 千枚小屋への登り
ちっとも、目立たない花です。
アカネ科のキヌタソウと、葉っぱは似ていますが、花がぜんぜん違っています。
2000,7,17 千枚小屋への登り
樹林帯で、見なれないランが群生していました。
千枚小屋に備えてあった本で調べたら、ミヤマチドリとわかりました。
2000,7,17 千枚小屋への登り
里山から、樹林帯にかけて、どこにでも咲いています。
花の色は、一見するとグレーなのですが、よく見ると、薄紫色なのでした。
2000,7,18 荒川小屋
ツマトリソウとは、いいネーミングですね。
妻取り草の意ではないとは、思いますが、名前の響きが、心地よいです。
2000,7,17 千枚小屋
湿性お花畑をいろどる黄色の花たちの中で、もっとも大きくて、もっとも鮮やかで、もっとも数が多いのが、シナノキンバイ。
いちばんみごとだったのは、荒川岳カールのお花畑の群落でした。
2000,7,18 百間平
標高が高くても、土壌が湿っているところなら、至るところに咲いていました。
でも、大群落というほどの群落は、見かけませんでした。
2000,7,17 千枚小屋
タカネグンナイフウロも、至るところに、咲いていました。
葉っぱは、ヤマトリカブトの葉によく似ていますが、細かな毛が生えているので、区別できました。
2000,7,17 千枚小屋
湿性のお花畑で、よく群生していました。
稜線にも、よく咲いていました。
より湿ったところに生えるモミジカラマツは、光岳周辺に咲いていました。
2000,7,18 荒川岳カール
ハクサンチドリが一斉に咲いているようすは、とてもみごとです。
色の薄いのと、濃いのがあります。
この花はまだつぼみ。
でも色はとても濃くて、鮮やかです。
2000,7,17 千枚小屋
下界の道ばたに咲くキンポウゲに、似た花。
花びらが、とてもつややかで、輝いています。
シナノキンバイとともに、お花畑を黄色に染め上げてくれます。
2000,7,17 千枚小屋
千枚小屋のお花畑でしか、咲いていませんでした。
この個体も、名残の花。
もう少し、早い時期の花なのでしょうね。
湿原に咲くハクサンコザクラよりずっと、大ぶりの花でした。
2000,7,18 悪沢岳
塩見岳を背景に、イワオウギが、根を張っていました。
なんとまぁ、雄々しいこと。
2000,7,18 悪沢岳
悪沢岳の山頂に、チョウノスケソウが咲いていました。
一瞬、チングルマかな、と思ったのですが、めったに出会えないチョウノスケソウだったので、うれしくなりました。
5日の間、チョウノスケソウを見たのは、ここだけでした。
2000,7,18 悪沢岳
キバナシャクナゲを、初めて見ました。
ハクサンシャクナゲの黄色タイプとはちがって、透き通るようなレモンイエローの花なんですね。
森林限界より上の稜線では、至るところでこの花を見ました。
2000,7,18 悪沢岳
オヤマノエンドウは、ちっちゃいので、あまり目立たない花です。
でも、このむらさき色の、鮮やかなこと。
標高のもっとも高いところでないと、咲いていませんでした。
それだけに、この花に会えて、うれしかったのです。
2000,7,18 悪沢岳
悪沢岳の稜線で、早春の里山で見るアマナに似た花を、見かけました。
なんだか、不思議。
でも、これは、チシマアマナ。
やさしくうなだれる姿が、とても可愛いと思いました。
2000,7,18 悪沢岳
他の草が生えないような、3000メートルの稜線で、地面にまたたく星のように咲いていました。
よく注意して見ないと、見過ごしてしまうくらい、小さな花なのです。
じっさい、ミネズオウに目をとどめるハイカーは、一人もいませんでした。
2000,7,18 赤石岳山頂
チングルマは、高山の岩礫地、風衝草原、湿原など、いたるところに生えている、高山植物の代表です。
この株は、3020メートルの、赤石岳山頂で、堂々と咲いていました。
2000,7,18 中岳カール
園芸ハーブのラムズイヤーに、よく似た花でした。
可愛いのに、目立たないから、あまりハイカーから省みられていませんでした。
でも、綿毛をかぶったような葉っぱは、あったかそうですね。
2000,7,18 悪沢岳
イワベンケイは、典型的な、岩場の花だと思います。
岩のすき間に根を張って、強風にも揺るがずに、咲いていました。
2000,7,18 赤石岳
3000メートルの稜線の中では、湿度の高そうなところを選んで、大群落を作っていました。
赤石岳の登りでは、至るところで、斜面がレモン色に見えるほどのイワウメが、咲いていました。
2000,7,18 悪沢岳
テガタチドリは、湿性お花畑の花だと思っています。
悪沢岳の稜線の南側では、岩が強風を、さえぎっていました。
この花は、そんなところで、咲いていたのです。
2000,7,18 赤石岳
アオノツガザクラも、湿性お花畑の花。
小赤石岳から赤石岳にかけての稜線は、真ん中が少しくぼんでいました。
その、ちょっとした窪地を選んで、アオノツガザクラが、咲き乱れていました。
2000,7,19 兎岳
赤石岳の山頂で見たミヤマシオガマ。
居並ぶ3000m峰を、堂々と見下ろしていました。
2000,7,19 兎岳
兎岳の荒れた避難小屋付近で見ました。
やや標高の低い所に生えるのでしょうか。
2000,7,20 上河内岳
上河内岳付近で撮った写真ですが、至るところに咲いていました。
2000,7,21 茶臼岳
タカネバラが咲いていたのは、茶臼岳だけでした。
あざやかな紅色に圧倒されてしまいました。
2000,7,18 悪沢岳
園芸種のオダマキ草の原種がこれ。
悪沢岳の稜線は、岩場を縫って歩きます。
手がかりにした岩場のそこここに、可憐なミヤマオダマキが咲いていました。
台風が接近してはいるものの、どうにか降らずに我慢しているという天候の裏妙義でした。
展望は皆無で、ハイカーの姿も見ませんでしたが、真夏の花々が咲いていました。
でもこの山域は、早春が晩秋に出かけたいものです。
2005,7,25 裏妙義
ママコナやミヤマママコナはピンク色ですが、タカネママコナは薄黄色です。 御岳周辺の、水がにじみ出るような岩場や明るい草付きにたくさん咲いていました。
2005,7,25 裏妙義
初秋に、低山や中級山岳の登山口付近に咲く花。 どこにでも咲く花ですが、雨に濡れた丁須岩の絶壁で咲くソバナは、とても可憐なのでした。
2005,7,25 裏妙義
裏妙義の稜線でたくさん咲いていました。 オミナエシの高山型。 いろんな山で、たくさんの虫を集めているのを、よく見かけます。
那須連峰は、展望の山という印象がありますが、主脈縦走路からはずれた流石山は、お花畑の広がる、可愛い山です。
わたしは、真夏に、かなり苦しいヤブこぎルートから、この山に登りつきましたので、花の美しさは、格別に思えました。
1997,7,15 流石山
花の黄色も、葉っぱのごつさも、とても力強い花です。 この花あたりは、活火山・茶臼岳と、堂々と対峙しています。
1997,7,15 流石山
2000メートル前後の中級山岳の、日当たりがよく、湿度のある草原で、よく咲いています。
一見するとタンポポみたいですが、じつはとても上品な花なのです。
1997,7,15 流石山
高山に咲くツツジの仲間は、実のなるものが多いのですが、ウラジロヨウラクは、花のきれいなツツジです。
派手ではありませんが、この花が無数にぶら下がっているようすは、たいへん豪華絢爛です。
1997,7,15 流石山
とても地味な花なので、見過ごす人もいると思います。 紫色の薄いタカネアオヤギソウも、いっしょに咲いていました。
渋沢温泉小屋から燧裏林道にかけては、ブナ・ネズコ、オオシラビソの深い森です。
イタヤカエデやネズコには、驚くほどの巨木もあります。
この樹林帯に咲く花はあまり多くありませんので、森をじっくり味わいながら歩きたいところです。
一方、主にエリアの東側には、大小の湿原が点在しています。
尾瀬ヶ原とは異なり、ハイカーの通りもさほど多くありませんので、伸びやかな傾斜湿原でのんびりするのもいいと思います。
2005,7,10 燧裏林道
北信黒姫山でサラサドウダンの大開花を見たばかりなのですが、今度は満開のベニサラサドウダンを見てきました。 燧裏林道に点在する湿原のへりで、明るい朱色のレンゲツツジに混じって、濃赤色のドウダンツツジが咲いているのでした。 レンゲツツジは酸性が強いと思われる泥炭地に多く、樹高は低いのですが、ベニサラサドウダンは土の上に生えていて、樹高も3メートルほどのものが多かったように思います。 尾瀬ヶ原方面ではほとんど、この花を見ませんでした。
2005,7,10 燧裏林道
尾瀬のブナ帯で、ときどき見かける花。 無葉のランですので、花が咲いていないと、決して見つからないのです。 地味な花の多い無葉ランの中では、かなり美しい部類に入る、ピンクの色の花が地面からいきなり咲いています。 この個体は、やや痛みかけていますが、めったに会えない花だけに撮り直しはきかないのです。
2005,7,10 燧裏林道
湿原に生える超低木。 花は梅雨時に咲きますが、小さいのでニッコウキスゲやコバイケイソウのように目立ちません。 でもよく見ると、小さなピンクのぼんぼりをたくさんぶら下げたようすは、じつに愛らしいと思います。
至仏山の7月は、もっとも花の多い時期ではないかと思います。
尾瀬行きを絶ったつもりでしたが、出張で尾瀬行きを命じられたりしましたので、あまり依怙地にならずときどき出かけてみようと思うようになりました。
まぁでも、私的な山行では、尾瀬ヶ原内の小屋には泊まらないつもりです。
2003,7,23 至仏山
シブツアサツキをよく見るのは、至仏山頂から高天ヶ原を経て山の鼻に降りる途中の草原です。
どちらかといえば、山頂と山の鼻のちょうど中間点あたりに多いような気がします。
この日は、雨模様でしたが、透き通るような薄紫の花に水滴がついた、きれいな写真が撮れました。
登山道はたいへんすべりやすいので、歩くことに関しては雨でない方がいいのですが、小雨程度だと意外にいい写真が撮れたりします。
薄紫色やピンクに近いものもありますが、この個体は、透き通ったブルーに近い色をしています。
2003,7,23 至仏山
アズマギクで見たことがあるのは、このジョウシュウアズマギクと早池峰山のミヤマアズマギクです。
こちらは森林限界より上に広く生えています。
こちらも、美しい薄紫の花で、何株かかたまって咲くと見応えがあります。
シブツアサツキが生えているところもそうなのですが、自生地はこの写真のように、土が露出して荒れが目立ちます。
これはハイカーの踏み荒らしが原因です。
2003,7,23 至仏山
エーデルワイス近縁種でも、至仏山のホソバヒナウスユキソウと早池峰山のハヤチネウスユキソウは、朝日連峰のヒナウスユキソウとともに可憐さを競っています。
これらの花の最盛期は6月中なので、7月にしか休みのとれないわたしなどは、ウスユキソウのさかんに咲くようすを見ることができません。
2003,7,23 至仏山
至仏山の固有種ですが、オヤマ沢田代や高天ヶ原によく咲いています。
これに似た花さえ、ちょっと思いつかないくらい、特徴のある花です。
梅雨時の谷川岳にも咲いていました。
2003,7,13 櫛形山
櫛形山のビューポイントは、裸山周辺のアヤメ群落でしょう。
キバナノヤマオダマキやテガタチドリも咲いていますが、斜面いっぱいのアヤメが咲く7月中旬の櫛形山は、じつにすばらしい。
2003,7,13 櫛形山
わたしたちは、櫛形林道から登り始めました。
登りはじめから中間までの樹林帯にはずっと、トリアシショウマが咲いていました。
カラマツソウやトリアシショウマは、一見すると白煙のようにも見えます。
ガスに煙る樹林帯で、これらの花がたくさん咲いているようすは、とても幻想的なのです。
2003,7,13 櫛形山
ヤマオダマキは、山地の道ばたによく咲いています。
えび茶色と黄色と、その中間の色のがありますが、比較的高いところに、黄花が多いように思います。
北八ツや櫛形山は黄色。
私は力強いえび茶より、清楚な黄色の方が好きです。
2005,6,25 北信黒姫山
ブナやカラマツの樹林帯でひっそりと咲いていました。
とても小さく、可憐な花。
たぶんほとんどのハイカーが、この花が咲いてることに気づいていないでしょう。
2005,6,25 北信黒姫山
大橋から新道分岐を経て白玉平に直登するところは、このコース中もっともつらい登りです。
植生はまずブナ帯。そして、ドウダンツツジなど灌木の疎林となり、上部でダケカンバの疎林、尾根まで登ると、オオシラビソの樹林帯です。
サラサドウダンの大木が大開花したようすは、筆舌に尽くしがたいすばらしさでした。
2005,6,25 北信黒姫山
コミヤマカタバミはなかなか気むずかしい花で、光が当たらないと花が開いてくれません。
ちょっとした深山であれば、たいていの山に咲いているのですが、このように思いっきり開花した姿が見れる機会はめったにありません。
七ツ池周辺の樹林帯にはオサバグサが大開花していて、それはそれですばらしかったのですが、ツマトリソウなどに混じってコミヤマカタバミがそこここに咲いているのも、なかなかのものだったのです。
2005,6,25 北信黒姫山
雪解け後の深山に咲く神秘的な花。
サンカヨウに会えるということは、サンカヨウに会えるところまで登れたということなのです。
この花を初めて見たのは、7月の燧ヶ岳だったと思います。
それ以来、あちこちでサンカヨウを見てきました。
そして今なお、サンカヨウの花に会える体力と気力を保持できていることに感謝したいと思います。
2005,6,25 北信黒姫山
ヤマシャクヤクは自然度の高い里山に行けばまだ、見ることができますが、ベニバナヤマシャクヤクにはめったに出会えるものではありません。
その希有な花が、たった一株咲いていました。
2003,7,3 茶臼岳
オサバグサの多いのは、北八ツと奥鬼怒かと思います。
梅雨時が最盛期なので、このようにたくさん咲いている風景を見ることができると、得したような気分になれます。
2003,7,3 坪庭付近
高山の陽当たりのよい岩場なら、どこにでも咲いています。
先を急ぐハイカーには、咲いていることさえわからないかもしれないほど、小さな花です。
夏の終わりには、赤い実をつけて、またまた楽しませてくれます。
2005,6,18 櫛形山
全く葉っぱのない小さなランが、あちこちに咲いていました。
これはヒメムヨウラン。
無用蘭ではなく、無葉蘭です。
2005,6,18 櫛形山
アツモリソウは目に入らなくて、キバナノアツモリソウがアヤメ平に咲いていました。
咲いていたのは、20株ほどでしょうか。
もう風前の灯火という感じでした。
こうなってもまだ、盗掘する人がいるらしい。
日本の自然はすばらしいが、日本の民度はひどいものです。
2005,6,18 櫛形山
登山道の近くといわず草原の中といわず、至るところに咲いていました。
ミツバツチグリに似た葉っぱですが、花の色は白。
一つ一つの花は可愛らしいし、群生しているようすはまた、とてもみごとでした。
2005,6,18 櫛形山
シロバナノヘビイチゴの群落の中に、混じって咲いていました。
ワチガイソウに似た、小花。
目立たない花です。
2005,6,18 櫛形山
池ノ平駐車場近くの樹林帯に咲いていました。
サワフタギかなとも思いましたが、葉っぱの形が違っていました。
カマナシシモツケとも言うようですが、語源は南アルプスの釜無川かな。チト不明。
2005,6,12 谷川岳
これまで、奥白根山、妙高山、至仏山などで見ましたが、いつ見ても感動の大きい花。
部分的に残雪の残る初夏の奥山でしか見られないし、花も大きくて色鮮やかです。
奥白根では見られなくなったそうですが、とても残念です。
2005,6,12 谷川岳
イワウチワとほぼ同標高のブナ帯の道わきで咲いていました。
イワウチワほど大きくなく、イワカガミほどあでやかでありませんが、残雪期の登山道を楽しくさせてくれる花の一つです。
2005,6,12 谷川岳
初夏の豪雪地帯を彩る濃赤紫色の鮮やかなツツジ。
花の色はミツバツツジと同系統ですが、ずっと濃く、残雪の白と好対照です。
谷川岳では、ブナ帯から森林限界付近に特に多く咲いていました。
2005,6,12 谷川岳
雪の消えた、茂倉岳周辺の登山道わきに咲いていました。
ハクサンコザクラより小ぶりで、色も薄い。
可憐なサクラソウです。
2005,6,12 谷川岳
以前、一ノ倉岳鞍部の雪田あとで群生しているのを見ました。
この日はまだ梅雨入り直後で、大量の雪が残っていましたから、大きな群落は見かけませんでした。
ハクサンコザクラの季節は、もう少しあとなのです。
1991,6,9 毛木平
登山口付近の大群落。
観光バスで乗りつけたハイカーが、盗掘しているのを見ました。
いい天気の日、いい山歩きができたのに、いやなものを見たものです。
1991,6,9 大山付近
ハクサンシャクナゲよりは、やや低いところでよく見ます。
奥秩父の渓流では、ゴールデンウィークあけくらいがピーク。
甲武信より、十文字峠の名花として、あまりにも有名です。
1998,5,22 千曲川源流
キバナノコマノツメは、高山の砂礫地でも、見ることがあります。
甲武信岳の千曲川源流コースだと、5月下旬から6月初旬にかけて、足元にたくさん咲いています。
1998,5,22 山頂付近
これが、なにイワカガミかは、今後勉強します。
森林限界を少し超えた、甲武信岳の山頂付近や三宝山の岩場には、このイワカガミがよく咲いています。
1998,7,2 木賊山付近
ハクサンシャクナゲは、甲武信あたりでは、夏のシャクナゲ。
奥秩父主脈縦走路では、7月初旬に、至るところで咲いていました。
2005,5,29 櫛形山
頂稜の樹林帯にひっそりと咲いていました。
初めて見る花でしたので、名前が出てくるまで少し時間がかかりました。
葉っぱが一枚しかないので、イチヨウランです。
小さな花ですが、よく見るとあでやかなのでした。
2005,5,29 櫛形山
葉っぱの幅がやや狭く、開いた花がたくさんついているので、これはギンランではなくササバギンラン。
登山道下部にいくつか生えていました。
2005,5,29 櫛形山
ハルリンドウかと思いましたが、花が筒状に長いので、これはフデリンドウ。
中腹より上の日だまりに点々と咲いていました。
2005,5,29 櫛形山
中腹あたりであちこちに咲いていました。
このようにたいへん繊細で美しいのですが、花の色が黄緑色なので、新緑の山ではあまり目立ちません。
2005,5,29 櫛形山
中腹の斜面のあちこちにヤマシャクヤクが生えていました。
花には少し早かったようで、つぼみがいくつかありました。
咲いていたのは、ゴルフボールのようなこの株だけでした。
2005,5,29 櫛形山
陽当たりのよい路傍に咲いていました。
緑色の花が標準のようですが、この個体はずいぶんえび茶色でした。
2005,5,29 櫛形山
早春に路傍に咲くタデの仲間。
この花を見たのは、夜叉神峠下以来、久しぶりでした。
ハルトラノオより葉っぱのばばが広い。
下部から上部まで、到るところに咲いていました。
2005,5,29 櫛形山
低山でもよく見る花。
陽当たりのよい斜面のあちこちに群落を作っていました。
小さくても鮮やかな黄色い花なので、大きな群落がいっせいに開花しているとみごとでした。
2005,5,29 櫛形山
ツクバネソウは葉っぱが4枚ですが、こちらはもっと多い。
花を上から見ると、こんな感じでなかなかおもしろい。
2005,5,21 櫛形山脈
新潟や会津の雪解けあとでは必ず見られる可愛らしいスミレ。
しばしば大きな群落になりますが、櫛形山脈では、ほとんど花が終わったあとでした。
2005,5,21 櫛形山脈
シャガは、奥武蔵などでごく普通に自生していますが、ヒメシャガは越後などに出かけないと見られません。
櫛形山脈のヒメシャガがいっせいに開花したら、さぞすばらしいだろうと思います。
2005,5,21 櫛形山脈
日本海側の雪解け時、渓沿いを彩る花。
華やかな花なので、園芸用に売ってもいます。
この写真は尾根で咲いていたもの。
眼下に越後の穀倉地帯、遠景は日本海です。
2005,5,21 櫛形山脈
マキノスミレと酷似しているそうなので、同定がまちがっているかもしれませんが、葉がほとんど横に寝ていましたので、たぶんシハイスミレ。
この時期、花はそろそろ終わりそうでした。
2005,5,21 櫛形山脈
一見してワチガイソウかと思いましたが、花びらに裂け目が入っているのと葉が広いので、ちがう種類だと思いました。
よく見ると清楚な花です。
オオサワハコベの群落は、縦走路中一ヶ所だけでした。
2005,5,8 刈羽黒姫山
里の道ばたから登山道まで、いろんなところに咲いていました。
太平洋側で見る紫色とちがって、ここのはすべて純白の花ばかりでした。
2005,5,8 刈羽黒姫山
あまり多くはありませんでしたが、ナガハシスミレと一緒に咲いていました。
濃い赤紫の鮮やかなスミレ。
オカスミレと似ていますが、茎などに細毛が密生しています。
2005,5,8 刈羽黒姫山
ツクバキンモンソウとキランソウの中間のような印象のある小さな花。
山道下部で数株咲いていました。
2003,4,27 両神山
ヤマエンゴサクは、登山道の道ばたなどで、よく咲いています。
薄紫色やピンクに近いものもありますが、この個体は、透き通ったブルーに近い色をしています。
2003,4,27 両神山
ヒイラギソウは、濃い紫色の、シソ科の花。
湿気の多い半日蔭に群生します。
あまり山奥に行かなくても、河原のような、ちょっとした荒れ地に多いような気がします。
2003,4,27 両神山
ヒメイチゲを見ると、いよいよ深山に来たと感じます。
スプリング=エフェメラルのなかで、もっとも小さな花。
ほとんどのハイカーは、これが咲いていることさえ、気がつかないでしょう。
2003,5,4 二子山
典型的な里山の花。
庭によく植えられている紫色のは園芸種です。
この色が、自然のジュウニヒトエです。
山道の道ばたによく咲いています。
2003,5,4 二子山
新しく植林されたところは、日射しが強く、暑くてたいへんでした。
そんな日なたに、とても小さな、見慣れない花が咲いていました。
調べてみたら、ヒメハギでした。
ヒメハギといっても、マメ科ではなく、ヒメハギ科の植物です。
2003,5,4 二子山
ハルリンドウは、陽当たりのよい草地に咲きます。
道路の路側帯のようなところにも咲きますが、二子山では、頂上の岩稜帯にたくさん咲いていました。
2003,5,4 二子山
頂上稜線でこの花を見たときは、ツクバネウツギかと思いましたが、花の開きかげんが、ツクバネウツギよりずっと狭いのです。
調べてみると、これはコウグイスカグラ。
石灰岩地帯特有の花なのでした。
2003,5,5 父不見山
焼けて荒れたところに咲いていました。
毒草ですが、光沢のあるこの黄色は、とても鮮やかですね。
2003,5,5 父不見山
父不見山でなくても見られる花ですが、焼け残った群馬県側の林縁に咲いていました。
これも有毒。
アセビの木はたくさん生えていますが、花の咲いているのはあまり多くないのです。
2003,5,5 父不見山
春はスイカズラ科の低木の花をよく見ます。
ツクバネウツギは、里山ではありふれた花といえるでしょう。
茨城県では、赤いツクバネウツギが咲いていました。
2003,5,5 父不見山
ヒトリシズカも、里山から深山の至るところに咲く花。
名前に反して、数株が群生していることが多いのです。
2002,4,5 霊仙山
御池岳でも霊仙山でも、登山道の入口付近の斜面で、まるでニリンソウのように大群生していました。
2002,4,5 霊仙山
アブラナ科ということはわかりますが、根元からランナー(走出枝)を出して広がっていました。
とりあえず、特徴をメモして帰り、あとで調べると、スズシロソウでした。
ありふれた感じの花ですが、これも、西日本にしかない花なのです。
2002,4,5 霊仙山
あまり群生していなくて、霊仙山稜線や山腹に、点々と生えているのを見ました。
このように美しく開花した個体に出会えて、とてもうれしかったです。
2002,4,5 霊仙山
霊仙山登山道には、ほかの草花とともに、よく咲いていました。
トウダイグサの仲間には、有毒なものが多いので、口に入れたりしないようにしないといけませんね。
2002,4,5 霊仙山
今まで歩いた山にもあったかもしれませんが、見た記憶がないのです。
たいへん小さな花なので、見落としていたのかもしれません。
ヤマオダマキに似た形のちっちゃな葉っぱがあって、白くてこれまたちっちゃな花がついていました。
2002,4, 御池岳
私が知っているのは、奥秩父・和名倉山の沢沿いの群落くらいでした。
標高がそれほど高くないのに、積雪地帯だけあって、鈴鹿のフクジュソウは、花期が遅いのですね。
あたり一面のフクジュソウ群落を見ることができて、とてもうれしかったです。
2002,4, 御池岳
鞍掛橋から御池岳への登りでは、ひとつも見つかりませんでした。
コグルミ道で、ようやくひとつ、見つけることができたので、とてもうれしかったです。
トウゴクサバノオと、サカナの名前のついた花は、けっこう珍しい。
これは、葉の形がサバの尾に似ているということらしいです。
これも、主として沢近くに咲く花です。
よく見れば、かわいらしい花なのですが、小さな花なので、
あまり目にとまらないかもしれません。
日本海側には、アズマシロカネソウという近縁の花が咲くようですが、こちらは見たことがありません。
このネーミングは、秋にたくさんの槍のような閉鎖花をつけるところからきています。
春に咲くのはむらさきがかった白色のかわいらしい花です。
センボンヤリの咲くところは、日光が十分にあたる、乾いた斜面です。
夏のあいだに、葉が成長したかと思うと、春とはちがってずいぶん長い花茎につぼみをつけたかと思うと、開花しないまま自家受粉して実を結び、種子を飛ばします。変わった花ですね。
初夏の高山に行くと、コミヤマカタバミをよく見ます。
梅雨時に見るせいか、完全に花開いた姿を見せることが少ない花です。
コミヤマカタバミの仲間で、ミヤマカタバミという花があります。
これは、早春の低山でも見られる花ですが、コミヤマカタバミほどよく見る花ではありません。
ある年、早春の妻坂峠に通ったことがありました。
峠まで、ゆっくり歩いて一時間ほど。そこにいろいろな花が咲いています。
足元に見なれない、美しい花を見つけました。
それがミヤマカタバミとの出会いでした。
それからも時おりこの花を見ますが、はじめて見た妻坂の花がいちばんあざやかだったような気がします。
奥山のエンレイソウはたいがい白花ですが、里山のは、白いのと褐色花のとがあります。
葉っぱがでかいわりに花が小さいのですが、私は、ユリ科植物らしい気品があるように思います。
おもに沢の源頭など、比較的湿ったところに多いように思います。
早春の沢筋は、ネコノメソウ類のオンパレードです。
そのなかで、もっとも黄色のあざやかなのは、コガネネコノメソウです。
ひとつひとつの花を上から見ると、花びら(ほんとうは萼片)が正方形をしています。
地味な花の部類に入りますが、これが群生すると、なかなかみごとなものです。
2007,3,24 破風山
でも、1996年の春、山と渓谷社から、いがりまさし著『日本のスミレ』(ISBN4-635-07006-9 C0645 P2000E)という、美しい図鑑が出ました。
この本のおかげで、スミレがこわくなくなりました。
この花は、ナガバノスミレサイシン。
典型的な太平洋側の花のようです。
花びらの色は上品な白花。葉っぱは薄っぺらい感じです。
パープルの花もあります。
根っこが食べられるらしいけど、食べないでほしいです。
2005,3,27 多峰主山
枝などに毛があるので、これはミヤマウグイスカグラ。
高さ1メートル以下の低木で、枝は細い。
盛春から初夏には、グミに似た果実をつけます。
ホワイトリカーに漬けると、いい酒になります。
ユリワサビは、ワサビと同じアブラナ科の花。
花はワサビに似ていますが、ずっと小型でかわいらしい花です。
ワサビは渓流などでしか見ませんが、こちらユリワサビは尾根すじでも見ることがあります。
でも、だいたいは湿気の多いところの花です。
これも食べられるという話ですが、まあ、食べられるものはみんな食べるというのでなく、のんびり花と対話しながら里山をぶらつきましょう。
2005,3,27 カマド山
サカキはもちろん、神事に使う常緑樹ですが、奥武蔵や秩父地方には、自生のサカキをほとんど見ませんが、ヒサカキなら低山の至るところに生えています。
神事に使うには、ヒサカキでも問題ないし、カシの木を神事に代用することもあります。
ヒサカキは、早春にこのような小花をたくさん咲かせます。
2005,3,27 武蔵横手
武蔵横手駅近くの土手に、この花が咲いていました。
関西地方では、仏事によくシキミを使いますね。
その花がコレ。
葉をもむと線香の香りがするそうですが、花は甘い香りがしていました。
2005,3,27 カマド山
奥武蔵でも平野に近い低山に行くと、あちこちにヤブツバキの群落があります。
3月ごろが盛りですが、ほかの花が少ない時期ですし、草花がほとんど生えていないスギ林の周縁などにもツバキが伐り残されていることがありますので、ずいぶん目が慰められます。
2005,3,21 角田山
花の色は白系、ピンク系、紫系をベースに、じつに多様です。
これは白い系統。
この日見たなかでもっとも多かったのは白でした。
2005,3,21 角田山
ジンチョウゲ科の低木。花の色以外はジンチョウゲに似ています。
この木も、オオミスミソウが生えているところと同じく、北側斜面に多いと感じました。
2005,3,21 角田山
現地でオオミスミソウは、ユキワリソウと呼ばれていました。
標準和名はオオミスミソウですが、ユキワリソウの方がはるかに生活感あふれるネーミングだと思います。
これは、紫色の系統。
2005,3,21 角田山
麓近い路傍に、キクザキイチゲがたくさん咲いていました。
地元の人は、キクザキイチゲのことをイチリンソウ、ユキワリイチゲのことをユキワリソウと呼んでいました。
オオミスミソウもユキワリソウなので混乱しそうな感じ。
キクザキイチゲに似ていますが、全体にちょっと弱い感じがして、顎片がごく薄い紫色をしています。
個体数としては、キクザキイチゲよりずっと少ないので、丹念に探さないと見つけにくい。
2005,4,2 角田山
この日は麓から上部に至るまでずっと咲いていました。
こちらのコースでは、白系よりピンク系・紫系が多かったように思います。
このピンクはじつにあでやかです。
2005,4,2 角田山
雪解けとともに、顔を出す花。
花というにはややグロテスクな感じ。
かたい花です。
ギフチョウの食草であることはよく知られています。
2005,4,2 角田山
この花を初めて見たのは、守門岳でした。
守門岳では、ヤブの中に点々と咲いていたと記憶します。
角田山にはキクバオウレンの群生があちこちにありました。
2005,4,2 角田山
こちら(奥武蔵)のエンレイソウは白花ですが、角田山のは赤紫色花。
生えているのは同じように、沢沿いや沢の源頭。
ショウジョウバカマやユキワリイチゲといっしょに咲いていました。
2005,4,2 角田山
この花は、太平洋側の地方には少ないのですが、日本海側の雪の多い地方ではありふれた花なのです。
妙高高原では、田んぼのあぜ道にも咲いていました。
高山の雪田あとにもよく咲いています。
薄紫色が、高貴な印象を与える花です。
早春に、奥久慈の土岳を歩きました。
花貫川沿いに、早春の花が、ひっそりと咲いていました。
2001,4,2 土岳山麓
早春の渓沿いでは、各種ネコノメソウの仲間が、地味な花を咲かせています。
奥武蔵あたりでは、イワボタンを見かけることはありません。 ヨゴレネコノメに似ていますが、黄色みが強くて、派手な印象があります。
イワボタンとは、いいネーミングですね。
2001,4,2 土岳山麓
キクザキイチゲは、雪国の初夏を彩る花です。 雪国のものは、花びら(萼片)がもっと薄紫色のものもありますが、低地では、アズマイチゲに似た、白い花なのです。
日向山は、南アルプスの前衛。
高い山ではないので、高山植物といえるような花はありませんが、山頂近くのガンガワラという崩壊地の林縁に、何種類かの花が咲いています。
ビランジの花がとてもみごとでした。
2003,9,7 日向山
シモバシラは、里山の花だと思います。
小さな花ですが、登山道で見ると「おや」と思ってしまうのです。
2003,9,7 日向山
ビランジは、丹沢の渓の花と思っていましたが、このようなガレ場にも咲くのですね。
ガンガワラで見ると、周囲の景観とあわせて、まるで高山に来たような気がしてしまいます。
ナデシコの仲間ですが、花だけを見るとサクラソウのように見えます。
2003,9,7 日向山
アザミの仲間です。
葉っぱはゴボウそっくりです。
オヤマボクチを山ゴボウとして利用するところもあるようです。
美しい花びらなどありませんが、この花の形は、十分鑑賞に堪えるものですね。