エンターテイメントの最近の記事

松尾修『高遠旅石工たちの幕末』

 高遠旅石工を主人公にした小説。

深沢七郎『千秋楽・東北の神武たち』

 深沢七郎傑作小説集の第3巻。

深沢七郎『甲州子守唄』

 大正末から敗戦ごろにかけての、石和周辺の村人の毎日を淡々と描いた小説。『深沢七郎傑作小説集』の第二巻。

保高みさ子『秩父事件の女たち』

 秩父事件参加者の家族に焦点を当てようとした短編小説集。

藤沢周平『義民が駆ける』

 天保期に庄内藩で起きた、三方領知替えに抗する闘いを描いた小説。

桐野夏生『日没』

 『1984年』よりはるかにリアルで、恐ろしい小説。

大城立裕『焼け跡の高校教師』

 占領期の沖縄における高校のようすを描いた美しい小説。

柳美里『JR上野駅公園口』

 福島県浜通り出身で、上野駅周辺でホームレスとして暮らす人の目に映し出された戦後とはどのような時代だったのかを描いた小説。

オーウェル『動物農場』

 ソビエト連邦をモデルにした寓話小説。

『暗夜行路』と『如是我聞』

 新聞サイトの読書欄で、『暗夜行路』はやはりすごいと述べる記事を読んだ(たぶんこの記事)。

藤沢周平『春秋山伏記』

 江戸時代の出羽の山里で山伏の生活ぶりを描いた小説。

水木しげる『水木しげるの古代出雲』

 オオクニヌシによる国譲りの真相に迫ろうとした漫画。

中里介山『大菩薩峠』

 非常に長い小説で、作者が亡くなったことにより、収拾がつかない状態で終わっている。

オーウェル『1984年』

 1947年に書かれた著名な近未来小説。

川上未映子『あこがれ』

 小学校6年生の男女の心の交流を美しく描いた小説。

 この作品の文章は、とても美しい。

吉村昭『ニコライ遭難』

 大津事件の顛末についての小説。ほぼノンフィクションに近い。

川上未映子『ヘヴン』

 壮絶ないじめを受けている男女中学生の心の交流を描いた小説。

司馬遼太郎『功名が辻』(1-4)

 山内一豊と千代の伝記小説。

司馬遼太郎『翔ぶが如く』(1?10)

 維新後の西郷隆盛を、大久保利通・川路利良・桐野利秋と絡ませながら描いた小説。

司馬遼太郎『坂の上の雲』(1?8)

 日露戦争を描いた著名な小説。

川上弘美『センセイの鞄』

「キノコにもいろいろあります」

結城昌治『軍旗はためく下に』

 上官殺害・敵前逃亡など、太平洋戦争当時に起きた、語られない事件を描いた小説集である。

深沢七郎『笛吹川』

 戦国時代の石和周辺の村の一家に起きたできごとを淡々と描いた小説。

飯尾憲士『ソウルの位牌』

 ソウル出身の父を持つ著者が、位牌を持ってソウルを訪れ、父の親族と初めて交歓する様子を描いた話。

飯尾憲士『開聞岳』

 知覧をはじめとする特攻基地から出撃した、大日本帝国の朝鮮人下士官の思いに迫ろうとしたドキュメント。

吉村昭『三陸海岸大津波』

 明治29(1896)年と昭和8(1933)年に岩手県三陸地方を襲った大津波をめぐる記録。
 小説風とはいえ、フィクションは入っていない。

五木寛之『風の王国』

 大血川は、魚は多い割にスレていて、なかなか釣れないが、通い慣れた川だ。
 主人公が、大血川の崖下で生まれたことになっているから、この小説を読んでちょっと驚いた。

坂脇秀治編『森の詩人』

 戦前に四尾連湖のほとりで独居した詩人・野澤一の詩と解説。

椎名誠『活字たんけん隊』

 椎名氏の「活字」シリーズの4冊目。

 表題にも関わらず、サバイバル・探検本より雑学本が多い。

椎名誠『活字のサーカス』

 椎名誠氏の「活字」第一冊目。

 比較的早期の作品なので、「スーパーエッセイ」シリーズなどで爆発した軽妙な文体で書かれている。

椎名誠『活字の海に寝ころんで』

 椎名氏の「活字」シリーズの3冊目。

 アウトドアと食べ物本が満載で、魅力的な本が膨大に紹介されている。

椎名誠『活字博物誌』

 椎名氏の「活字」シリーズの2冊目。

 取りあげられている分野は、アウトドア本や食べ物関係の本が多い。

忌野清志郎『瀕死の双六問屋』

 ミュージシャンである著者のエッセイ。

 初版(2000,7)のあとがきに、この本は自分で書いた、とあるので、ゴーストライターが書いたものではないと思う。

 宮沢賢治の作品が友人保阪嘉内を意識して書かれたことを『宮沢賢治の青春』が明らかにしたが、嘉内の生涯をたどった本は、本書だけのように思う。

菅原千恵子『宮沢賢治の青春』

 宮沢賢治の「ただ一人の友」だったとされる保阪嘉内との関係を、賢治の嘉内宛手紙と彼の作品から、鮮やかに描いた書。

 最終章である「第八章 『銀河鉄道の夜』は誰のために書かれたのか」を読むと、胸がいっぱいになる。

三好京三『陸奥黄金街道』

 「金売り吉次」を描いた歴史小説。

 小説だから、荒唐無稽と思われる部分も多々あるが、平泉政権と陸海を結ぶ商人ネットワークとの関係が描かれている。

大城立裕『小説琉球処分(上下)』

 文化が不変でないのだから、民族というカテゴリーも不変でないだろう。

 明治初年の琉球の人々と「日本」人とが同じく「日本」民族に属するといっても、いわば別民族としての道を歩み始めつつある状態だっただろう。

吉村昭『戦艦武蔵』

 戦艦武蔵の建艦から沈没までを描いた小説。

 小説とはいえ、武蔵の建造日誌に取材しているので、着工から進水までの描写は圧巻である。

井上ひさし『新釈遠野物語』

 新釈とあるが、遠野物語のパロディではなく、岩手県釜石周辺における、創作奇譚集である。

 正体不明の老人が、青年に奇想天外な物語を、あたかも事実であるかのように語ってみせるのだが、最後は、その老人が化けた狐だったという井上作品らしいオチがついている。

斎藤成雄『秩父に革命の嵐吹く 』

 秩父事件の顛末を描いた小説。

城山三郎『指揮官たちの特攻』

 特攻作戦の最初と最後を担った二人の同期生パイロットへの鎮魂歌的作品。

三浦しをん『神去なあなあ日常』

 横浜の高校を卒業した青年が、三重県の林業会社に就職させられ、山仕事と地域の現実を理解していくという小説。

 よくよく考えれば非現実的な部分もあるのだが、山村の現実をよく取材した上で書かれているので、リアリティがある。

黒野伸一『限界集落株式会社』

> 自分が現在暮らしているのは、たぶん「限界集落」だと思う。

 ちゃんと住んでいる戸数も人口も、減っている。

 今後、賑やかになる気配は、ない。

奥田美穂『絵の記録』

 「教員赤化事件」で教壇を追われたのち、東京で社会教育に関する仕事をされたという著者の小説集。

 折り目正しく誠実に自己を見つめた、小説らしい小説で、たいへん読み応えがあった。

城山三郎『大義の末』

 「(天皇制という)大義に生きる」という確信のもとで人間形成してきた若者が、戦後、どのようにして思想的清算をとげたかを描いた作品。

山本素石『つりかげ』

 ヘミングウェイの釣り小説は、急いで読むのが惜しいほどテンポがよく、無駄がなく、誇張や釣り自慢もない。

 井伏鱒二は高名な作家で、釣り小説を多くものしているが、釣り作家ではない。

吉村昭『海も暮れきる』

 尾崎放哉の死にざまを描いた小説。
 かつて読んだことがあるのだが、読書ノートを作っていなかったので、再読した。

新田次郎『武田信玄』

 長編歴史エンタテイメント。
 信玄の生涯をシンパシーをもって描いている。

新田次郎『武田三代』

 長編小説『武田信玄』のエチュード的な位置にある短編集。
 いずれも楽しめるが、「武田金山秘史」が興味深い。

城山三郎『官僚たちの夏』

 1960年代、通産省のキャリア官僚たちがどのように仕事をしていたかを描いた小説。
 登場人物の多くにはモデルがおり、登場する政治家については、それが誰かは素人でも推察できる。

細谷博『太宰治』

 帯に「再入門への招待」とある。
 太宰の生涯を簡単に追いながら、オムニバス風に作品を紹介している。

佃実夫『阿波自由党始末記』

 徳島自由党の幹部だった前田兵治関係の史料に基づき、前田兵治と自由民権運動との関わりを描いた歴史小説。

松下竜一『狼煙を見よ』

 1960年代後半は、当時の若い世代にとって、本質的な問い返しの時代であったと思われます。
 わたしが、多少なりとも意識を持って生き始めた1970年代はじめころは、60年代のかすかな残り香に接することができたように思います。

松下竜一『豆腐屋の四季』

 わたしは、1960年代はちょうど少年期を過ごしました。
 私にとっての世界は、せいぜい半径数百メートルの範囲内でしたが、今から思えばずいぶん輪郭のはっきりした世界だったと思います。

松下竜一『風成の女たち』

 自然とともにあった人間の暮らしが破壊されるのは、文明にとって末期的なできごとなのですが、われわれは、そんな事例をいやというほど見てきました。

石川達三『日蔭の村』

 小河内ダム(多摩川水系)建設をめぐる村内の動きを描いた小説。

 発達障害を持つ32歳の青年が、脳外科の手術によって急激な知的発達をとげたのち、手術に内包されていた致命的な欠陥により、急激な知的退行を体験するという小説。

鎌田慧『津軽・斜陽の家』

 太宰治の生家である津島家の近代とは、どのようなものだったのかを明らかにした本。

坪井伸吾『アマゾン漂流日記』

 改めて、地図を開いてみると、南アメリカ大陸の脊梁、アンデス山脈は、大陸の西海岸に沿って、南北に伸びているのですね。

江馬修『飛騨百姓騒動記』

 『山の民』同様、山国飛騨の農民のたたかいを描いた小説集です。
 『山の民』が、維新期の梅村騒動を描いたものだったのに対して、こちらは江戸中期の大原騒動に取材して書かれています。

江馬修『山の民(上・下)』

 長らく読んでみたかった小説を、ようやく読むことができました。
 島崎藤村の『夜明け前』が、木曽における宿場指導層の視点から明治維新を描いたのに対し、『山の民』は、飛騨の農民の視点からの明治維新を描いています。

椎名誠『白い手』

 椎名誠さんには申し訳ないが、スーパーエッセイストとしてはとてもおもしろい作品を書く人だけど、小説はおれの趣味には合わないな、といままで思ってきました。

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