共生できる社会

上原善広『日本の路地を旅する』

 「日本」の被差別部落(著者は「路地」と呼ぶ」)の探訪記。

上原善広『異邦人』

 カミュの小説の同じタイトルだが、世界数ヶ所における、マイノリティを訪ねたルポ集。

 ガザ・バクダッドは、どちらかと言えば、戦争の中の日常ルポである。

角田安正訳『国家と革命』

> 「国家」についてのレーニンの考察。

 本書が書かれたのは1917年で、11月革命を前にした時期だったというから、ここでの理論的考察が、ことさら実践的な要請によるものだったことがうかがえる。

忌野清志郎『瀕死の双六問屋』

 ミュージシャンである著者のエッセイ。

 初版(2000,7)のあとがきに、この本は自分で書いた、とあるので、ゴーストライターが書いたものではないと思う。

 マルクス・エンゲルスの伝記というと、手放しの礼賛本ではないかと、まずは警戒してかかる。

 本書にも、そのような部分がないとは言えないが、まずまず冷静な記述なので、不愉快にならずに読むことができる。

 著者のいう「犠牲のシステム」とは、「ある者の利益が他の者の生活の犠牲の上に成り立っている。その犠牲は通常隠されているが、顕在化したときには『貴い犠牲』として美化される」というものである。

 フクシマと沖縄は、そのシステムを象徴していると、著者は考えておられる。

田中伸尚『ルポ良心と義務』

 学校における「日の丸」掲揚と「君が代」斉唱が強制され、「歌わない」「起立しない」人々に対する迫害が始まってから、久しい。

 この年月の間に、強制を強制と思わない人が、すでに相当部分になっていると思われる。

 「日本」人が自分の責任を棚上げして「悪いのは私じゃない」と他罰を言い募るようになったと主張する書。

 精神科医がそのように言うのだから、おそらくそうなんだと思われる。

 フランスあたりで、学生・高校生が、学費や年金問題など、さまざまなテーマで行動を起こすニュースをしばしば目にする。

姜尚中『悩む力』

夏目漱石とマックス・ウェーバーを例に、とことん悩むことの意味を説いた書。

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