宗教と民俗

光永覚道『千日回峰行』

 千日回峰行とは、比叡山における修行の一つで、百日連続して、決められたコースを礼拝するという修行を都合1000回行うというものである。

 修験道の教義をわかりやすく説いた書物を探しているのだが、なかなか見つからない。
 この本を読んでみても、うなづける点はもちろん、多々あるのだが、目からウロコというわけにはいかない。

新田次郎『富士に死す』

 富士講六世の行者、食行身禄の伝記小説。

銭谷武平『大峰こぼれ話』

 洞川周辺の食や大峰の植物などについての覚え書きを記した書。

五條順教『修験道のこころ』

 荒唐無稽だったり、言行不一致だったりすることが多いような気がして、宗教者の説法は、嘘っぽく聞こえる。
 これは、説法に限らない。学校の先生のお説教など、その最たるものであり、自分自身、他人のことなど言えた義理ではない。

宮本常一『民俗学の旅』

 民俗学の巨人の自伝。
 学問の目的や方法について、本質的なことを明確に語っている。
 若いときにこの本に出会っていれば、勉強の仕方が変わっていただろうが、その当時、本書で語られていることを理解できたかどうかは、疑わしい。

 合理的精神・国民国家・近代化・科学の進歩などの範疇を丹念に検討し、その限界性を指摘し続けている著者による、歴史哲学論。

神坂次郎『藤原定家の熊野御幸』

 1201年秋に行われた後鳥羽院の熊野詣りに同行した藤原定家の『熊野御幸記』の記述をもとに、定家の道中を追体験させてくれる本。

新井佐次郎『秩父西谷老譚』

 秩父事件に関する著者の話を何度かうかがったことがある。
 演説口調とは対極の静かな語り口ながら、事件関連の同氏の著作にあるように、地を這うような調査が印象的だった。

 熊野街道は、熊野三山に至るルートです。
 主たる道は、大和からの小辺地・奥駈道、紀州からの中辺地・大辺地道と伊勢道の5ルート。
 本書は、このルートの各所にまつわる史実や伝説、人物などを短く語ったアンソロジー。

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