宗教と民俗

木下達文『木食白道』

 微笑する荒彫りの仏像の作者といえば円空を想起するが、甲州に木喰行道とその弟子の木食白道がいる。
 本書は、史料の少ない白道の評伝である。

沖浦和光『幻の漂泊民・サンカ』

 文献史料とフィールドワークの両面からサンカの歴史的位置について考察した書。
 三角寛のサンカ「研究」をていねいに論破している。

 著者による金沢・大和紀行。

五木寛之『風の王国』

 大血川は、魚は多い割にスレていて、なかなか釣れないが、通い慣れた川だ。
 主人公が、大血川の崖下で生まれたことになっているから、この小説を読んでちょっと驚いた。

五木寛之『蓮如』

 蓮如の生涯と思想をコンパクトにまとめた本だが、著者自身は伝記というほどの著作ではないと断っている。

五木寛之『博多・沖縄への旅』

 著者による博多・沖縄紀行。

五木寛之・沖浦和光『辺界の輝き』

 国家の定めた身分の体系の外で生きていた人々(マージナル・マン)の存在と役割についての対談。

 前半は差別された非定住民だったサンカと家船についての考察。後半は東京の下町に暮らした被差別者についてのエッセイ風の評論である。

飯野頼治『武甲の里山を歩く』

 過日なくなられた著者による、おそらく最後の著作ではないかと思う。

 秩父市内から横瀬町内にかけての散策ガイドだが、たいへん詳細に書かれていて、本書を片手に歩いてみたくなる。

宮本常一『イザベラ・バードの旅』

 宮本常一氏による、イザベラ・バードの『日本奥地紀行』ゼミナールの記録。

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