琉球

高良倉吉『琉球王国』

 わずか100余年前に解体された琉球王国は、500年以上の歴史を有する海洋国家だったが、「日本」の起こした戦争の際、天皇が支配する体制を数十日間延命させるために、10万人以上の民衆の生命とともに、史料のほぼすべてを灰燼に帰す被害を被った。

大城立裕『小説琉球処分(上下)』

 文化が不変でないのだから、民族というカテゴリーも不変でないだろう。

 明治初年の琉球の人々と「日本」人とが同じく「日本」民族に属するといっても、いわば別民族としての道を歩み始めつつある状態だっただろう。

阿波根昌鴻『命こそ宝』

 沖縄県伊江島で反戦・反基地を闘ってこられた著者の語りの第二弾である。

 前著『米軍と農民』は、おおむね、沖縄の本土復帰前までの苦しい闘いが内容だったが、この本は、復帰後の状況について、語られている。

新崎盛暉『現代日本と沖縄』

 明治維新から現在に至る沖縄略史。

 特に新たに論点があるとは思えなかったが、沖縄「返還」以降の基地依存経済構造の形成については、認識を新たにすることができた。

外間守善『私の沖縄戦記』

 業務で那覇に行ったおり、見つけた本。
 外間先生には、大学で、言語学を教えていただいた。

謝花直美『証言 沖縄「集団自決」』

 この10年ほどのあいだに日本中にはびこった歴史修正論は、主として近代史上の諸問題について、歴史の偽造キャンペーンを進めてきた。
 これは御用学者・ライターを動員した、国家的謀略の一環だろう。

 必要あって再読。
 ことによると積ん読書だったかも。

 手元にあるのが1987年沖縄国体開催時の一刷で、この年に沖縄戦についてきちんと学ばなければならない気になったのは確かだ。

前の10件 1  2