東洋史

高文謙『周恩来秘録』(上下)

 文化大革命の開始からその死に至るまでの周恩来の評伝。
 個々の事実に関する著者なりの見解が散りばめられてはいるが、上下あわせて700ページに及ぶ大著に記されている事実には、出典があげられている。

王慶祥『溥儀・戦犯から死まで』

 愛新覚羅溥儀の後半生を描いた評伝。
 出生からソ連軍による逮捕まではこの本には記されておらず、本書のテーマが溥儀の人間的「改造」だということがわかる。

井出孫六『中国残留婦人』

 中国残留日本人孤児について書かれた『終わりなき旅』の著者による、同書の姉妹編ともいうべき書。
 著者の熱い義憤が、読むものに伝わってくる。

角田房子『閔妃暗殺』

 1895年に起きた朝鮮国王妃殺害事件に関する歴史ノンフィクション。
 この事件・この本に対しても、新右翼史観による攻撃がかまびすしい。

笠原十九司『南京事件論争史』

 1937〜1938年にかけて起きた南京事件(南京大虐殺)が、日本人にどのように受け止められてきたかをまとめた書。

林滋子『中国・忘れえぬ日々』

 帰国する在日中国人の妻として1953年に中国に渡り、1972年に帰国するまでの間の体験記。
 結果的にだが著者は、反右派闘争(1957)、大躍進運動(1958)、社会主義教育運動(1965)、プロレタリア文化大革命(1966-)などを、外国人ながら一人の民衆として体験されている。

 ずいぶん以前に読んだ本の再読。
 1919年に朝鮮半島で起きた三・一独立運動に対し、日本政府は残忍な弾圧を加えた。

吉見義明『従軍慰安婦』

 従軍慰安婦設置の経過からその実態、さらに慰安婦問題の戦後処理について史料に基づき概観した本。

前の10件 1  2